毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。
今回ご紹介するのは、五味太郎さんの『きいろいのは ちょうちょ』。1983年初版のロングセラーです。
ちょうちょかと思って、男の子が虫捕り網で捕まえようとすると、花だったり、ひよこだったり、風船だったり…。「きいろいのはちょうちょ」だと思っていたけど、違うのかな。はたしてちょうちょは捕まえられるのでしょうか。ちょうちょの形の小さな穴が開いたしかけ絵本。
主人公は「きいろいのはちょうちょ」と思い込んでいる男の子。虫捕り網を持って、きいろい“ちょうちょ”らしきものをとことん追いかけ回します。ところがそのちょうちょ、じつは穴になっていて、ページをめくると別のきいろいものに変わってしまうのです。
男の子はそれでも「きいろいのはちょうちょ」と信じ込んで、立入禁止の工事現場に入ってしまったり、車通りの多い交差点を横切ろうとしたりしますが、やがて「きいろいのはちょうちょじゃない」と思うようになって…。読者は「ちょうちょだと思っていたものが、ちょうちょではなかった」という体験を主人公の男の子と一緒に体験します。次は何になるのかを考えながら読み進めるのも楽しいでしょう。
じっくり見ている子どもは、ちょうちょの形の穴が左側のページに来た時の絵にも、この絵本ならではの面白さが隠れていることに気づくかもしれません。おじさんの読んでいた小説の表紙に書かれた探偵のサングラスになったり、すれ違ったお姉さんのリボンになったり、後半には『きんぎょがにげた』のような金魚鉢も登場します。まわりの人達の表情も含めて、絵をじっくり見て楽しんでください。
男の子がきいろいものを追うのをやめたところで、ひらひらと現れる本物のちょうちょ。五味太郎さんならではのユーモアあふれるしかけ絵本です。
<ミーテ会員さんのお声>
この頃『きいろいのはちょうちょ』のリクエストが多い。きいろいのはちょうちょ、きいろいのはちょうちょ…ちょうちょじゃない!!って言うリズムの絵本。読み終わったあとに、オウム返しで「ちょうちょじゃない!」と言っていた。長い文を言えるようになったもんだなあ。(1歳4か月の男の子のママ)
「五味太郎しかけ絵本」シリーズは他に『とうさんまいご』と『まどから おくりもの』があります。ページをめくる楽しさを満喫してくださいね。
▼五味太郎さんのインタビューはこちら
「おもしろいから絵本にする、ただそれだけ」
無料会員登録後は、過去の「絵本子育て相談室」など、
様々な絵本情報が読み放題!
ぜひミーテにご登録ください♪