毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。
今回ご紹介する絵本は、五味太郎さんの『まどから おくりもの』。1983年に出版されたクリスマスのしかけ絵本です。
四角く切り取られたまどから、サンタクロースさんが動物達にプレゼントを届けます。ねずみさんにはしゃれたながぐつ。ねこさんにはかわいいりぼん、のはずだったのですが…。
ヘリで軽快に空を飛ぶ赤い服のおじいさん。「あれは たぶん サンタクロースさん」。家のまどから見える、動物達のかわいい寝顔を頼りに、サンタクロースさんがプレゼントを届けます。まどは四角く切り抜かれています。ページをめくると場面が変わって家の中。窓の外にサンタクロースさんが見えるしかけです。
でも本当のしかけはここから。2つめの家は、まどからかわいいねこさんの寝顔が見えます。サンタは、ぴったりなリボンを贈りますが、ページをめくった部屋の中では、眠るねこの絵がついたパジャマを着たぶたさんが、寝相悪く寝ている…。五味太郎さんのいたずら心に、子ども達は大喜びです。
ここから最後までサンタさんは勘違いし続けます。読み聞かせを聞く子ども達は家の中の動物を当てようすることでしょう。しかし、一筋縄ではいかない意外性のある答えに、二度目三度目もだまされてしまうのではないでしょうか? クリスマスプレゼントのもたらすワクワクした気分と、想像力を膨らませる面白さから、楽しめる年齢の幅が広いのも、この絵本の魅力です。
さて、ちぐはぐ具合に大笑いしたプレゼント。でも最後には、もらったみんなが大満足。幸せな気持ちで絵本を読み終えられます。サンタの勘違いからうまれる笑いこそが、読んでいる人へのプレゼントなのかもしれませんね。
<ミーテ会員さんのお声>
窓から見えた中の様子でサンタさんが「この子はこのプレゼント!」と判断してプレゼントしていくわけですが、これがコントみたいな勘違いからちぐはぐとハプニングが起きて、結果、サプライズなプレゼントに…(笑)
このお話は娘のお気に入り。窓になっている穴をいじりながら、「あらら~?」とか「あれ~?」と言いながら読んでいます。(2歳8か月の女の子のママ)
お話を知っている子も知らない子も盛り上がるこの作品。ビッグブックも出ているので、クリスマスの集まりやイベントに読み聞かせをする、なんて時にぴったりですよ。
▼五味太郎さんのインタビューはこちら
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