イチ押し絵本情報

友だちって、何? 共に考える絵本(ロングセラー&名作ピックアップ Vol.328)

2021年3月18日

毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。

 友だちって、何? 共に考える絵本

今回ご紹介する絵本は、谷川俊太郎さんと和田誠さんによる『ともだち』。1979年に出版された百科事典「玉川こども・きょういく百科」に掲載され、2002年に単行本化されたロングセラーです。

友だちって風邪がうつっても平気だって言ってくれる人。友だちって一緒に帰りたくなる人。好きなものが違っても友だちは友だち…。「友だち」とは何かを考え、問いかける絵本。

見開き

「友だち」って何? 日常的によく使うことばですが、改めて説明しようとすると難しいもの。この絵本では、「ともだちって」「ともだちなら」「ひとりでは」「どんなきもちかな」「けんか」「ともだちはともだち」「あったことはなくても」の7つのテーマをたてて答えていきます。

ひとつの見開きに、文章が一文、大きく描かれた絵がひとつ。例えば「友だちって風邪がうつっても平気だって言ってくれる人」ということばに、風邪を引いた子とその子といつも通りに接する友だちの絵。文も絵もシンプルに表現されている分、ゆっくりと頭と心にしみわたり、同時に「自分なら…」と想像する余地が広く残されています。

谷川俊太郎さんの文は、小さな子どもにも伝わりやすい簡単なことばが使われています。状況も、風邪を引いた時、学校帰り、貸し借り、叱られた時、けんかした時などとても具体的。文の意味がただ伝わるだけではなく、子ども達が自分事として、思い出したり想像したりしやすいことでしょう。子どもの経験を聞いたり、親の経験を話したり、お互いの思ったことを話したくなるのが、この絵本の最大の魅力かもしれません。

絵本の後半は、和田誠さんの絵の代わりに、世界の子どもたちの写真が載っています。車椅子に乗ってまっすぐこちらを見る子や砂地に座り込む子も、「会ったことがなくてもこの子は友だち」。友だちとは一体何かを考えてきた読者に、この友だちに何ができるのかを問いかけます。自分が何をしてもらうかではなく、何をしてあげられるのかという視点を得ることで、子ども達は絵本を読む前よりも一歩成長していることでしょう。

<ミーテ会員さんのお声>
なぜだか眠れない夜は、昔の事を思い出す。「あの人にあんな事言っちゃって悪かったな」「当時は何とも思わなかったけど、あの人は私に助言してくれていたんだ」と、後悔が浮かんでは消える…。これから幼稚園に行ってたくさん友だちをつくるであろう娘に絵本『ともだち』をプレゼントした。「友だちって一緒に帰りたくなる人」「友だちってみんなが行っちゃった後も待っててくれる人」…。自分でも今更ながら教えてもらうことが多かった。暗唱できるくらい何度も読みたいな~と思う本に、久々に出会いました!(3歳3か月の女の子のママ)

谷川さんと和田さんがタッグを組んだ絵本は他に、『あな』をロングセラー&名作ピックアップでご紹介しています。あわせて読んでみてくださいね。

▼谷川俊太郎さんのインタビューはこちら
「言葉はスキンシップ 子どもを膝に乗せて絵本を読んで」


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