毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。
今回ご紹介する絵本は、長野ヒデ子さんの『せとうちたいこさん デパートいきタイ』です。1995年初版、「せとうちたいこさん」シリーズの1作目です。
何でもやってみたいタイのお母さん、せとうちたいこさん。海でデパートのチラシを見て、「タイだって一度デパートに行きたーい」。おめかししてお出かけです。デパートに着いたたいこさんは、してみたいことがいっぱいでウキウキワクワク。売り場をあちこち巡って様々な体験をしますが…。
タイがどうやって陸に上がったのかなんて、野暮なことは考えてはいけません。絵本の中では誰もそんなことは気にせずに、デパートにやってきたたいこさんを受け入れます。化粧品売り場でファンデーションを試してみたり、靴売り場で真っ赤なハイヒールを試着してみたり、エレベーターやエスカレーターに乗ってみたり…好奇心旺盛にショッピングを楽しむたいこさんの姿に、絵本を読む子どももワクワクすることでしょう。
作者の長野ヒデ子さんはインタビューで、せとうちたいこさんというキャラクターの誕生秘話を明かしています。
「私は瀬戸内海の生まれで、タイにエールを送りたいという気持ちもあって。『せとうちたいこさん』という名前をつけたら、好奇心旺盛なタイのキャラクターが生まれたの。名前とか、言葉は不思議な力を持つのですね。これが『玄界灘たいこさん』とか『若狭たいこさん』だったら、きっと違ったお話になっていたわよ、ふふふ(笑)」
たいこさんの陽気な人柄(魚柄?)や、慌てて逃げかえるラストもさることながら、細かく描き込まれた売り場もこの絵本の見どころのひとつ。店員さんやお客さんも含め、全部で450人近く描かれているそうですが、その中には長新太さんやいとうひろしさん、中川ひろたかさん、飯野和好さんといった絵本作家の方々も登場しているのだとか。「この人かも?」なんて探しながら見てみるのも楽しそうですね。
<ミーテ会員さんのお声>
たいこさんシリーズ、初めて読みました。娘はお話そのものよりも、デパートの売り場のたくさんの人の中からたいこさんを探し出すのが楽しかったようです。「たいこさん、ここ!」と見つけるたびに喜んでいました。(2歳8か月の女の子のママ)
「せとうちたいこさん」シリーズは続編に『えんそくいきタイ』や『パーティーいきタイ』などがありますが、まもなく新作『ふじさんのぼりタイ』も刊行されるそうです。『デパートいきタイ』から25年、まだまだ元気なたいこさんをお見逃しなく!
▼長野ヒデ子さんのインタビューはこちら
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