毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。
今回ご紹介する絵本は、長谷川義史さんによる『だじゃれ日本一周』。2009年に出版されて、今でも版を重ね続けているベストセラーです。
「きれいな花が咲いたまけん(埼玉県)」、「バラの花にはいばらきけん(茨城県)」。この調子で、県名のだじゃれが1県1ページ、見開きで2県を紹介。通常、都道府県は北から順に載せることが多いものですが、この絵本はまずこの2県がくるところがユニーク。同じ見開きに載っている2県のだじゃれが関連をもたせてあって、絵もつながっているという仕組みによるものです。
たとえばこの見開きは、ページの間にあるお風呂に大人がふたり。ひとりは「おふろにはいってあいちっけん(愛知県)」とお湯から飛び出し、もうひとりは「びっくりしたわ とやまーけん(富山県)」と驚いています。2枚の絵の間にストーリーが生まれ、ゆるめのだじゃれが必然となり、この絵本の読みどころになっています。
また絵には、名所・旧跡や特産品、名物など、各県を代表するものが散りばめられています。だじゃれのゆるさに対して、こちらはお勉強になる知識がたっぷり。一度では見きれないほど情報が詰め込まれているので、「『だじゃれ日本一周』を3倍楽しく読むヒント」という折り込みで、描かれた名所、名物を確認してみて。また多彩なラインナップなので、「今度旭山動物園に行ってみたいね」、「ママはわんこそばに挑戦したことがある」と、親子の会話のきっかけにもなるのではないでしょうか。
知育絵本としての側面が、この絵本の人気を支えているのは確かでしょう。笑いながら都道府県名が自然と頭に入るので、小学校で覚える際に役立ったという方も多いのでは。ただ、知育絵本というよりは、ことば遊びの絵本として生まれたことは確かなよう。「たこ焼き食べておー釈迦プー(大阪府)」、「それならと大仏さんもおならけん(奈良県)」を見れば、作者の長谷川義史さん自身が、大いに楽しんでいることが伝わってきます。また各見開きに、とんがり帽子の男の子「どんぐりぼうや」が隠れているという遊び心も。
ことば遊びの絵本ですので、ぜひ読む際には声に出して読みたいところ。ことばの響きやリズム、うまいことだじゃれになるようにちょっとあいまいに発音したり早口で言ってみたり。よりこの絵本の面白さ、よさが伝わるはずですよ。
<ミーテ会員さんのお声>
『だじゃれ日本一周』と一緒に「日本地図パズル」を買いました。これが大成功♪ お兄ちゃんは「あ、大盛りけん」がお気に入りで、パズルも青森県を最初にピース入れします。他の県もピースをはめるたびに、県名のだじゃれを言いながら遊んでます(1歳11か月4歳2か月の男の子のママ)
絵本好きには見逃せないページが愛媛県。絵本作家の長野ヒデ子さんの出身地なので、『せとうちたいこさん デパートいきタイ』などのたいこさんが描かれていますよ。ぜひチェックしてみてくださいね。
▼長谷川義史さんのインタビューはこちら
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