イチ押し絵本情報

真っ黒で大きな目の不思議ないきもの「くろいの」(新刊絵本のご紹介 Vol.207)

2018年11月5日

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 真っ黒で大きな目の不思議ないきもの「くろいの」

田中清代さんの絵本『くろいの』が出版されました(本体1400円+税、偕成社)。

見開き

ひとりで帰るいつもの道。女の子は不思議ないきものを見つけます。真っ黒い体に大きな目、他の人には見えていないみたい。ある日思い切って声をかけてみると、その「くろいの」は黙って歩きだしました。ついていくと…。

不思議で魅力的ないきもの「くろいの」と女の子の交流を、モノクロの銅版画で描いた作品です。ふたりが遊ぶ様子は、モノクロとは思えないほど鮮やかな印象で幻想的! 穏やかであたたかな読後感が残る絵本です。

<編集者からのコメント>
『トマトさん』『ねえ だっこして』などでおなじみの絵本作家、田中清代さんによるひさびさの新作絵本です。

女の子が不思議な黒いいきものと出会うお話ですが、この謎めいた雰囲気のいきもの“くろいの”がとても魅力的に描かれています。くろいのは、小さな子どもくらいの背丈で、真っ黒な体に大きな目がきらりと光っています。庭に草花がしげる、おもむきのある日本家屋にひとりで住んでいるようです。女の子は、くろいのにまねかれて、その家で驚くような体験をします。

原画は銅版画で制作されていて、細やかに描き込まれた陰影は、子どもがひとりでいる時に日常のすきまで体験するファンタジーに、ゆたかな奥行きを生みだしています。読み進んでいるうちに、女の子とくろいのがどんどん愛おしく感じられるようになる、あたたかな絵本です。

くろいのが住む日本家屋や、1本1本丁寧に描かれた毛並みなど見どころがたくさんあります。手元に置いて折に触れてじっくり眺めたくなりますよ。

▼田中清代さんのインタビューはこちら
「絵本の読み聞かせは“ライブ感”が魅力」


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