みんなの推し絵本!

vol.13 小林顕作さんの推し絵本

vol.13 小林顕作さんの推し絵本

小林顕作さんの写真

vol.13 小林顕作さんの推し絵本

思い出の一冊、大好きな一冊、渾身の一冊など、とっておきの“推し絵本”を紹介してもらうインタビュー「みんなの推し絵本!」。今回は、俳優、声優、演出家、脚本家、ダンサーなどマルチに活躍する小林顕作さんにご登場いただきます。

字のない絵本を自由に読む楽しさ

僕の推し絵本は『おふろやさん』です。箱根の温泉のお土産コーナーで見つけて買ってきたんですけどね。冒頭一文以外は文章のない絵本なので、無限に創作できるんです。僕は普段、文章を全部読むのを面倒に感じると、飛ばして読んでしまうこともあるんですが、『おふろやさん』はもともと文章がないので、読み手次第で自由に読める。そこがいいですね。

やんちゃな男子3人組は、たもつ、ごろう、たつやっていう名前にしてるんですよ。脱衣所のシーンでは、この人は髪型が全然キマらない人、この人は親孝行な人、この人は町で一番の金持ち…なんて感じで、勝手に設定して話をつくります。

一番盛り上がるのは帰りのシーン。僕の設定では、お風呂屋さんの外に立っている女の子は、8時に彼氏と一緒に出ようと約束したのに15分待たされているところなんですね。あー、まだ出てきてくれない、体が冷えちゃう!みたいな感じで見ておいてから、ひとつ前の脱衣所の見開きに戻って、「のんびり着替えてる彼氏はどーこだ?」とクイズを出します。答えは毎回変えるんですけど、それが当てられるか、という遊び。昭和生まれのロングセラーですが、今も楽しめる絵本なので、『おふろやさん』はもっと広めていきたいですね。

自分にしかできない読み聞かせを楽しもう

かこさとしさんの『からすのパンやさん』をミュージカル調で読むのも面白いですよ。パンがずらーっと並んでいるページを、全部歌いながら読むんです。タッタッター、タッタカタッ♪ スターパン、とんがりパン、ボールパ~ン、かえるパン、バッナッナッパ~ン♪…みたいな感じで。3分くらいの曲になります。へとへとになりますけどね(笑)

実は僕、テレビや映画よりも舞台の仕事の方が断然面白いと思っているんですね。それはやはりライブ感であったり、その場限りで二度と再現されることのない、一回性みたいなところに魅力を感じているから。絵本の読み聞かせもそうで、同じ絵本でも読む日が違えばまったく表情が変わるし、読み手や受け手のコンディションによって感じ方もがらりと変わる。読み手と受け手の関係性やコミュニケーションがあった上での読み聞かせですからね。そこが何よりの魅力だと思います。

読み聞かせのコツは、失敗を楽しむこと。それと、自分自身が面白いと思って読むのも大事ですね。僕なんて、気乗りしない絵本を「読んで」と持ってこられたら、「パパそれやだな」と断ることもあります。喧嘩になるかもしれないけど、喧嘩すればいいんじゃないかなと。コツでも何でもないですけど(笑)

お母さん、お父さんの数だけ読み聞かせがあるので、上手な読み聞かせを目指す必要はありません。自分にしかできない読み聞かせを楽しんでくださいね。

小林顕作さんのインタビューをもっと読みたい方はこちら

子育ても読み聞かせも自分なりのスタイルで楽しもう!

ミーテ プレゼント情報

おふろやさん

インタビューの中でご紹介した絵本『おふろやさん』ミーテ会員3名様に抽選でプレゼントします。

※ミーテ会員登録がまだの方は、登録後、ご応募ください。会員登録はこちら

プレゼントの応募は締め切りました。当選者の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。

応募期間
4月25日(火)~5月8日(月)

プロフィール

小林顕作さん

小林 顕作(こばやし けんさく)

1971年、東京都生まれ。日本大学藝術学部卒業。俳優、声優、演出家、脚本家、ダンサー。ダンスカンパニー「コンドルズ」でコント部門の脚本を担当。NHK Eテレ『みいつけた!』のオフロスキー役で全国的人気を博す。数々の舞台に客演する他、演出家として「帝一の國」「パタリロ!」など話題の舞台を手がける。NHK大河ドラマ『真田丸』などテレビ出演も多数。絵本の読み聞かせ公演も積極的に行っている。


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