Vol.70 『すやすや おやすみ』作者・酒井駒子さんインタビュー
赤ちゃんとの絵本の時間を楽しみたい、すべての方へ。選りすぐりの赤ちゃん絵本の誕生秘話や、作家さん・編集者さんが絵本に込めた思いを伺いました。赤ちゃん絵本を楽しむヒントが詰まったインタビュー、今回は、『すやすや おやすみ』の絵を担当された絵本作家・酒井駒子さんにご登場いただきます。
赤ちゃん向けの絵本を描くのは大好きなので、『すやすや おやすみ』のお話をいただいてうれしかったです。石津さんのテキストは、植物も動物もものも人も同じに語りかけていて、そこがとても心地よいなと思いました。
お話は、動いているものが次のページでは静かに眠っている、というくり返しの展開で進んでいきます。人以外のものもすべて「眠っている」ように描かなくてはならないので、そこが難しくも楽しくもありましたが、小さな子が「もの」に対しても「ねんねんよ」と語りかけているような気持ちで描きました。
冬に絵を描いていたのですが、クローバーの絵を描く時、クローバーが夜はどう眠るのか確かめたかったので、そのページは春になってクローバーが育ってから描きました。
『すやすや おやすみ』のはるこちゃんについては、モデルは特にいないのですが、自分の中でイメージする子どもの姿と、お子さんがいる方からいただいた写真、家の者が撮った写真などの資料を混ぜ合わせて描きました。
赤ちゃん向けの絵本なので、背景は描き込まず、対象がまっすぐ目に入りやすい絵を描くよう心がけています。最後のページは、ゆったりと安心した気持ちになるように思いながら描きました。
赤ちゃんは絵本を読んでもらっている時、ことばにはしないかもしれませんが、心の中で、いろいろな気持ちをいっぱい重ねていっている気がします。何冊か読んであげているうちに、読んであげている方が読んでいて楽しい本、お子さんのお気に入りの絵本など、自然と出てくると思います。一緒に読んでいる時間そのものも、ずっと忘れない宝物ですね。
酒井駒子さんが絵を担当された絵本『すやすや おやすみ』に直筆サインを入れていただきました! ミーテ会員3名様に抽選でプレゼントします。
『すやすや おやすみ』のご紹介はこちら
プレゼントの応募は締め切りました。当選者の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。
酒井 駒子(さかい こまこ)
1966年生まれ、絵本作家。主な作品に『よるくま』(偕成社)、『ロンパーちゃんとふうせん』(白泉社)、『こりゃまてまて』(文・中脇初枝、福音館書店)、などがある。『きつねのかみさま』(作・あまんきみこ、ポプラ社)で日本絵本賞、『金曜日の砂糖ちゃん』(偕成社)でブラティスラヴァ世界絵本原画展金牌賞、『ぼく おかあさんのこと…』(文溪堂)でピチュー賞・銀の石筆賞、『くまとやまねこ』(文・湯本香樹実、河出書房新社)で 講談社出版文化賞絵本賞を受賞。『ゆきが やんだら』(学研)はニューヨーク・タイムズの「2009年の子供の絵本最良の10冊」に選ばれた。