Vol.35 『COLORS』作者・コローロさんインタビュー
赤ちゃんとの絵本の時間を楽しみたい、すべての方へ。選りすぐりの赤ちゃん絵本の誕生秘話や、作家さん・編集者さんが絵本に込めた思いを伺いました。赤ちゃん絵本を楽しむヒントが詰まったインタビュー、今回はコローロのフジイメグミさんとカラシマヨウコさんにご登場いただきます。
カラシマさん(以下、敬称略) 私達はもともと同じ美大の出身で、子育てをしながら、イラストレーターとデザイナーとして一緒に仕事をしてきたんです。趣味や好みがすごく近いので、いつかふたりでオリジナルの作品をつくりたいね、と話していました。『COLORS』は、ふたりでユニットを組んでつくった初めての絵本です。
フジイさん(以下、敬称略) 私がイラスト、カラシマさんがデザイン担当で、企画からデザインまでトータルでつくっています。私達ならではの絵本をつくろうとしたら、自然と赤ちゃん向けのシンプルな絵本になりました。
カラシマ 『COLORS』は色をテーマにした絵本ですが、だからこそ表紙はあえて黒でスタイリッシュにしてみました。それから、赤にもいろんな赤があるし、緑にもいろんな緑があるんだということがわかるように、配色にもこだわりました。目指したのは、洋書みたいな、おしゃれでキュートな絵本。ママもおしゃれ感覚で楽しめる絵本がつくりたかったんです。ママのお気に入りって、子どもにも伝わりますからね。
フジイ ゾウのキャラクターは私がもともと好きで、他の仕事でもよく描いていたんです。だから、こうして絵本の中に登場させることができたのがうれしくて。ゾウの名前は私達のユニット名と同じ「コローロ」。エスペラント語で「色」という意味なんですよ。パパは「パローロ」、ママは「マローロ」と名付けました。
カラシマ 2作目の『GREETINGS あいさつのえほん』は、初めてのコミュニケーションブックになればという思いでつくりました。「いただきます」「ごちそうさま」など、日本ならではのものも取り上げています。最後に「だいすき」とハグするシーンは、あいさつではないけれど、これはどうしても入れたいねってことで盛り込みました。これを見て、親子のスキンシップを楽しんでもらえたらうれしいですね。
フジイ 『NUMBERS かずのえほん』は、あえて文字は入れず、数字だけの絵本にしました。絵の中で、バッグにひとつだけパンが入っていたり、風船が1個だけ飛んでいってしまったり…といった発見があるので、それで親子の会話を広げてもらえるんじゃないかなと。
カラシマ 『なーんにみえる? わくわくパン』では、パンの写真に絵を組み合わせて、見立て遊びを楽しめる絵本をつくりました。しろパンが赤ちゃんのほっぺになったり、あんパンがライオンになったりと、なじみのあるパンがいろんなものに変身します。大きく開くしかけのページもあるんですよ。
フジイ これからもデザインと絵の力で、今どきのママやパパに喜んでもらえるようなポップで楽しい絵本をつくっていきたいなと思っています。字が少ない分、絵を見て会話を広げながら楽しんでほしいなと。ぼろぼろになるまで見てもらえたら、すごくうれしいですね。
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コローロ
フジイメグミとカラシマヨウコによる絵本制作ユニット。フジイメグミがイラストレーション、カラシマヨウコがグラフィックデザインを主に担当。発案・企画から制作まで、トータルに手がける。作品に『COLORS』『GREETINGS あいさつのえほん』『NUMBERS かずのえほん』をはじめとした「ゾウのコローロ」シリーズや『なーんにみえる? わくわくパン』(いずれも赤ちゃんとママ社)がある。