Vol.10 『に~っこり』の絵本作家くわざわゆうこさんインタビュー
赤ちゃんとの絵本の時間を楽しみたい、すべての方へ。選りすぐりの赤ちゃん絵本の誕生秘話や、作家さん・編集者さんが絵本に込めた思いを伺いました。赤ちゃん絵本を楽しむヒントが詰まったインタビュー、今回は、くわざわゆうこさんにご登場いただきます。
『に~っこり』は、最初にいしづちひろさんの文章があって、絵を誰にするかという段階で、編集者さんが私にも声をかけてくださったんです。文章を読んで、ぜひやらせていただきたいと思っていたので、私が描かせてもらえることになって、とてもうれしかったです。
赤ちゃんのキャラクター案は他にも、髪の毛のある子や帽子をかぶった子など、いくつかあったんですが、最終的に私のイチオシだったこの子になりました。モデルとなる赤ちゃんは特にいなくて、自分が赤ちゃんを産むならこんな子がいいな、という理想像を描いています。こんな風にぬいぐるみをぎゅっとしたり、こんな風ににっこりしたりする姿を見てみたいな、と。わが子を出産するような気持ちで生み出したキャラクターなので、こうして読者の皆さんに大切にしてもらえているのは、本当にうれしくて。親孝行な赤ちゃんですよね。
頭の形が小籠包みたいだったり、眉毛がなかったりと、わりと特徴的な子になったかなと思っていたんですが、意外にも「うちの子に似ているから」という理由で選んでくださる方が多いようで、ちょっと驚いています。あと、「子どもがこの本ばかり選んで持ってくるのが不思議」という声もいただいていて。キャラクターの顔を、実際の赤ちゃんに近い大きさで描いているので、親近感がわくのかもしれませんね。
私自身は子育て未経験なので、リアルに子育てしているお母さん方に受け入れてもらえるのかどうか不安もあったんですが、ある芸能人の方が、「チュ~ッ」のページを開いて、同じようにお子さんにチュ~ッとしている写真をブログにアップしてくださっているのを見て、こんな風に楽しんでもらえているのかと、幸せな気持ちになりました。
おかげさまでシリーズ化して、新作の『ばあ~っ!』で5作目となりました。この絵本シリーズを通じて、親子で幸せな時間を過ごしてもらえたら、と願っています。
プレゼントの応募は締め切りました。当選者の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。
くわざわ ゆうこ
岐阜県生まれ。編集プロダクション、デザイン会社勤務を経てイラストレーターとして独立。子どもの絵本や教材のイラストを中心に活躍中。主な絵本の作品に『でちゃったときは』(作・織田道代、フレーベル館)、『に~っこり』『おいし~い』『おやすみ~』(作・いしづちひろ、くもん出版)、『ぶたさんたいそう』『あわあわふわふわ』(いずれもフレーベル館)などがある。