Vol.1 『くっついた』
作者・三浦太郎さんインタビュー
赤ちゃんとの絵本の時間を楽しみたい、すべての方へ。選りすぐりの赤ちゃん絵本の誕生秘話や、作家さん・編集者さんが絵本に込めた思いを伺いました。赤ちゃん絵本を楽しむヒントが満載のインタビュー、今回は三浦太郎さんのご登場です。
『くっついた』は昨年、出版から10周年を迎えました。娘が赤ちゃんだった頃、なかなか笑ってくれない娘をあやそうと何気なくやった「くっついた!」がきっかけになって生まれた絵本です。
当時の僕は、海外で絵本作家デビューはしていたものの、趣味で外国の絵本をペラペラめくるくらいで、日本の絵本というのはほとんど読んだことがありませんでした。かろうじて読んだ絵本と言えば、娘が生まれた時にこぐま社の編集の方が持ってきてくれた、柳原良平さんの『かおかおどんなかお』くらい。赤ちゃん向けの絵本があるということ、そしてそれはこんなにもシンプルでいいんだということを、『かおかおどんなかお』で知りました。
『くっついた』以降も何冊も赤ちゃん絵本をつくりましたが、そのすべてに共通するのは、実体験に基づいているということ。どれもが娘とのエピソードの中で生まれたものなんです。自分の中で確かな実感があるものしかつくれないし、つくる意味も感じないんですよね。芯のところにリアリティがあるからこそ、骨太な作品ができあがるのではないかと思います。
『くっついた』にはとても多くの読者の方々からうれしい声をいただいていますが、印象的だったのは、お父さんとお母さんがケンカをしていた時、子どもが本棚から『くっついた』を持ってきた、というエピソード。ピリピリしたムードを察知して、仲良くしてほしいという思いで手渡したんでしょうね。
子育てをしていると思い通りにならなくてイライラすることも多いと思いますが、そんなときこそ絵本の出番。『くっついた』がイライラを笑顔に変えるきっかけになれば、とてもうれしいですね。
三浦太郎さんの新作赤ちゃん絵本『ぞうちゃんとねずみちゃん』に直筆サイン&イラストを入れていただきました!
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三浦 太郎(みうら たろう)
1968年、愛知県生まれ。大阪芸術大学美術学科卒業後、イラストレーターとして活動。ボローニャ国際絵本原画展で入選を重ね、スイス、イタリア、スペインなど海外でも絵本を出版。主な絵本に『くっついた』『ゴリラのおとうちゃん』(こぐま社)、『おしり』『りんごがコロコロコロリンコ』(講談社)、『まかせとけ』『ちいさなおうさま』(偕成社)、『バスがきました』(童心社)などがある。