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教えて! 絵本作家さん(32)子どもがほしがる本を買うべき?(絵本子育て相談室 Vol.438)

2023年5月12日

絵本や読み聞かせにまつわる皆さんからのご質問に、ミーテ編集部の現役子育てママライターが週替わりでお答えします!
スージー(元・子供服メーカー勤務)
乗り物大好き、子鉄くんのママ。思い出の絵本は『がたごとがたごと』と『いろいろバス』。
アッコ(元・情報紙編集部勤務)
外遊び命、元気印の男の子のママ。ファーストブックは『くっついた』と『やさいさん』。

 教えて! 絵本作家さん(32)子どもがほしがる本を買うべき?

ミーテ会員の皆さんからの相談が多いテーマについて、絵本作家さんのインタビューから抜粋してお答えします。今回のテーマは、「子どもがほしがる本を買うべき?」。『おんなじおんなじ』『ねずみさんのながいパン』でおなじみの絵本作家多田ヒロシさんのインタビューをのぞいてみましょう。

 子どもの意見も時には聞き入れてみて

子どもがほしがる絵本と、大人が与えたい絵本。どうしてもすれ違いが起きてしまいがち。本屋さんでも「これほしい~!」という子に対して、「園にも図書館にもあるでしょう?」「どうせ買うならこの名作はどう?」「おもちゃみたいな絵本じゃなくて他のにしよう」などとなだめる親の声をよく耳にします。もちろん、お金を出して買う側がシビアになるのも当然のことでしょう。

それでも、「子どもにちょっと従わないといけないんじゃないかなと思う。見てほしければね」と、絵本作家の多田ヒロシさんはミーテカフェインタビューでおっしゃっています。絵本好きになってほしければ、親がいいと思う絵本を読んであげることも大事だけれど、時には子どもの選択を尊重するのも同じように大事だということでしょう。

絵本を選ぶ行為自体の楽しさや自分の意見を親が聞いてくれたことが、絵本好きにつながるとも言います。息子さんのタダサトシさんは、絵本好きどころか絵本作家。子育ては「褒めるばっかりだった」と、虫好きの子どもの選択を認め続けた多田さんの言葉は、説得力が違います。

ちなみに『おんなじおんなじ』も、最初は「背景は白地だし、それでこの値段でなんだか損したみたい」などと大人からは言われたのが、「子どもが飽きないでいつまでも見ていた」ことが今のロングセラーにつながっているとか。ほかにも、谷川俊太郎さんが文を手がけた大人気のロングセラー『もこ もこもこ』も、子どもたちに受けたことから始まったと言いますから、大人が思っている以上に、子どもの「好き」センサーは、侮れません。

もし親が選んであげる場合でも、子どもの「好き」という気持ちを大事に選んでみてはいかがでしょうか。食べ物好きなら『しろくまちゃんのほっとけーき』、乗り物好きなら『でんしゃにのって』、キャラクター好きなら『ノラネコぐんだん パンこうじょう』などと意識してみたら、子どもの興味をひく度合いもぐっと高まると思いますよ。

ここ数年、子どもが自分で選ぶことで本と出会う喜びを感じてほしいと始まった、「小学生がえらぶ! “こどもの本ほん”総選挙」が人気です。第3回の1位は「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」、絵本では『りんごかもしれない』が4位にランクイン。お子さんに自分なりのおすすめ絵本ランキングをつくってもらうのも楽しいかもしれませんね。

おすすめの一冊は、『おんなじおんなじ』の「ぶうとぴょん」のシリーズの最新刊『まほうのつえ』。おそろいの服におんなじおもちゃを持っていた仲良しふたり組が、今度はタネが見え見えのマジックに挑戦していますよ。最後は驚きのハプニングも待っていて子どもは大喜び、同時にロングセラーシリーズで大人も納得の一冊です。

▼多田ヒロシさんのインタビューはこちら
「こうなりたい、やりたい、行ってみたい 絵本は、夢ふくらませる力」

(回答:ミーテ編集部・アッコ)


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