毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。
今回ご紹介する絵本は、宮西達也さんの『にゃーご』です。初版は1997年。小学2年生の国語の教科書にも採用されているお話です。
ネズミの学校で、黒板に描かれた猫の顔を見せながら、先生が子ネズミ達に教えています。「これが猫です。この顔を見たら、すぐに逃げなさい。捕まったら最後、あっという間に食べられてしまいますよ」。でも、先生の話をちっとも聞かずにおしゃべりしていた子ネズミが3匹いました。3匹は桃を取りに出かけますが、そこに大きな猫が「にゃーご」と現れて…。
表紙には、3匹の子ネズミに襲いかかろうとする怖ろしい猫の姿が、インパクトたっぷりに描かれています。とがった歯に鋭い爪、釣り上がった目…本当なら一目散に逃げなければいけない場面です。でも、先生の注意を聞いていなかった子ネズミ達にとって目の前の猫は、驚きはするものの、怖がる対象ではなかったようです。
「おじさん だあれ?」という子ネズミからの質問に「猫だ」ではなく「たまだ」と答えてしまったことから、猫はどんどん無邪気な子ネズミのペースに巻き込まれていきます。仲良くのんきに桃を食べた帰り道、怖い顔で「にゃーご」と叫んで牙をむく猫に対して、無邪気に「にゃーご」と返す子ネズミ達。お土産にと持ち帰った桃をめぐるやりとりも、やさしさにあふれています。
純真無垢で天真爛漫な子ネズミ達が猫の心を動かす、面白くて心あたたまるお話。食べられやしまいかというドキドキと迫力のある構図で、大勢の子どもを相手にした読み聞かせでも人気の一冊です。続編『ちゅーちゅー』とあわせてお楽しみください。
<ミーテ会員さんのお声>
食べるつもりで子ネズミ3匹に接近した猫が、素直でかわいい反応に情が移ってしまって食べ損ねる、ほのぼのストーリーです。読み終えて、「いいお話だったね」と娘が冷静な感想を言ったのがおかしかった。(4歳4か月の女の子のママ)
絵本を通じて「目に見えない大切なことを伝えたい」という作者の宮西達也さん。勘違いから始まる関係性は、『おまえうまそうだな』をはじめとする「ティラノサウルス」シリーズでも描かれていますよ。
▼宮西達也さんのインタビューはこちら
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