毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。
今回ご紹介する絵本は、谷川俊太郎さんと、広瀬弦さんによる『まり』。2002年に出版された人気作です。
ころん ころころ ぱしっ! ひゅーん! かきーん ことん かっくん …。まりが転がって、さまざまな形に変化したり、池に沈んだりする様子を、シンプルな絵と擬声語で表現した赤ちゃん絵本。
画面の中央に大きく描かれた黄色い丸。これが主役のまりです。点と「く」の字だけの簡単な顔。表情も大人しいページがほとんどで、背景もごくシンプルな色のみで描かれています。
ことばは、絵以上にシンプルです。「ころん」「ころころ」などのまりの動きを想像させるオノマトペが、1ページにひとつかふたつ。ストーリーと言えるのは、「まりが転がっている」ということだけ。読み聞かせる大人泣かせの絵本と言えるかもしれません。
一方小さな子ども達は、時に声をたてて笑い、何度も読んでもらいたがります。 この絵本のミーテ会員さんの感想を見ると、0歳前半から楽しんでいる子どもは多いですが、特に1歳前後になると、棒に打たれてひしゃげたり、池に落ちたり、まりが見えなくなるシーンで笑うなどの反応をする子どもが増えてくることがわかります。
子ども達は、大人が読み聞かせてくれるオノマトペの音と絵でまりの動きを知るだけではなく、場面と場面のつながりや落差を理解していると言えるでしょう。絵本の中に没入し、想像力でシーンとシーンの間を補うことで、絵のまりが生き生きと動くように見えてくる。それが、子ども達にとって、この絵本が面白くてならない理由なのではないでしょうか。
<ミーテ会員さんのお声>
図書館で、娘が「これ!」という目線送ってたので、借りてきた『まり』。中身はとてもシンプルですが、読み聞かせすると、とてもよい反応してくれます。今日は表紙を見ただけで笑い出してびっくり! 反応がよすぎて、読み聞かせする私が癒された~。あまりにうれしくて、図書館で返却前にネットでポチッと買っちゃいました。(0歳7か月の女の子のママ)
本作で谷川俊太郎さんのオノマトペの魅力にひかれた方は、『もこ もこもこ』、『ことばのえほん1 ぴよ ぴよ』などを読んでみては。いずれも子ども達の反応がとてもいい絵本ですよ。
▼谷川 俊太郎さんのインタビューはこちら
「言葉はスキンシップ
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