イチ押し絵本情報

猛スピードで次のバス停まで駆け抜けるウシ(ロングセラー&名作ピックアップ Vol.319)

2021年1月14日

毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。

 猛スピードで次のバス停まで駆け抜けるウシ

今回ご紹介する絵本は、1995年初版の『ウシバス』。『エンソくん きしゃにのる』『?あつさのせい?』などでおなじみのスズキコージさんの絵本です。

バス停で何やら話しこんでいると、向こうから、ものすごい勢いでウシバスが突進してきます。お客さんを乗せると、ウシバスは大暴走! 土けむりを上げて、海の中にも平気で突入、お客さんは必死でつかまりますが…。

ウシバスはそのまま、ウシのバスです。ウシバスは、頭に「USHIBUS」と書かれた旗を掲げて、背中にお客さんを乗せ、バス停から次のバス停まで走ります。そのスピードたるや! 発車と同時にいきなりアクセル全開で、すぐさまお客さんがひとり振り落とされます。

お客さんは必死にしがみつきますが、ウシバスはそんなことおかまなしで疾走。海の中もざぶざぶと駆け抜けて、次のバス停に着いた頃には、お客さんはひとりも乗っていないのです。バス停で後ろを振り返り、「あれ? 誰も乗ってない…」と驚いた様子のウシの表情が笑えます。きっと振り落とすつもりなんてまったくなくて、ただただ夢中で走っていただけなのでしょう。

鮮やかな色彩、エネルギッシュかつエキゾチックなテイストの絵が、見る人を摩訶不思議なスズキコージ・ワールドへと導きます。独特なのは絵だけではありません。お話は、奇妙な短い台詞だけで展開していきます。「クル?」「ルク?」「グル」のほか、「ウバシス」「シスバウ」「バシバシ」「ウスウス」など、「ウシバス」を並べ替えた台詞も。どれも単体では意味をなさない音なのですが、絵本の中では絶妙に機能しています。

小さな子から大人まで、笑って楽しめるナンセンス絵本です。

<ミーテ会員さんのお声>
長男は、最近スズキコージさんの絵本がお気に入り。あの不可解な世界が面白いらしい。今回は『ウシバス』に大ウケ。次々に人が落っこちてしまうとことか、「クル?」「ルク?」「シウ?」などといった謎のことばにも大笑い。自由にのびのび描いている感じの絵が、私もいいと思っています。絵を描くのが、ほんとに好きなんだろうなぁって思うのです。(2歳9か月と6歳4か月の男の子のママ)

スズキコージさんの絵本では、『サルビルサ』も「モジ」「ジモ」「サルビ」「ビルサ」といった謎のことばのみで展開します。スズキコージさんならではの独特の世界、体で感じて楽しみましょう。


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