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「泣く子はいねが~」秋田・男鹿のなまはげの真の姿(新刊絵本のご紹介 Vol.319)

2021年1月18日

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 「泣く子はいねが~」秋田・男鹿のなまはげの真の姿

池田まき子さんと早川純子さんによる絵本『なまはげ』が出版されました(本体1800円+税、汐文社)。

見開き

むかしむかし、ある国の王様が、5匹の鬼の家来を連れて男鹿半島にやってきました。鬼達は人々のために懸命に働きますが、恐ろしい姿から誤解されてしまいます。ある日鬼を追い出そうとする村人達と、賭けをすることになって…。

「泣く子はいねが~」という恐ろしい鬼の姿が印象的な、なまはげ。大みそかの夜、秋田・男鹿半島で行われる、ユネスコ無形文化遺産に登録された伝統行事です。実はこのなまはげ、神社にまつられた神様だそう。どうして鬼が神様としてあがめられるようになったのか、その由来話を絵本にした、骨太な一冊です。

<作者(文)・池田まき子さんからのコメント>
「なまはげ」は、怖いイメージをもたれることが多いようですが、男鹿半島の人々の「守り神」であることを知ってほしいと思ったのが、絵本を手がけるきっかけでした。

古くから伝わる「なまはげ伝説」を元にしていますが、こういったストーリーで伝わったらいいな、という私の思いも込めました。この絵本が、故郷の伝統行事や文化を誇りに思うことに、そして、自分達の守り神に対して、畏れと慎みの心をもつことにつながれば…と心から願っています。

<作者(絵)・早川純子さんからのコメント>
東京にいると、「なまはげ」は、赤と青の鬼が包丁をもって「泣く子はいねが~」と、子どもを泣かす怖いイメージが頭に浮かびます。一昨年、池田まき子さんの案内で男鹿をまわりました。なまはげ面が、地域によって形や色が違うのが驚きでした。いろいろ見ているうちに、以前挿絵を描いたアジアの昔話『山からきたふたご スマントリとスコスロノ』や、古事記の話『国づくりのはなし オオクニヌシとスクナビコナ』ともぐるりと私の中でつながって、今回の絵本は木版画で描きました。生き生きした鬼達の姿を見て頂けたらうれしいな。

難を払ってくれそうなド迫力の表紙の「なまはげ」にびっくり。同時に恐ろしい姿の陰に隠れた、人々を思う心がぐっと胸に迫りますよ。

▼早川純子さんのインタビューはこちら
「絵本の中にあふれる さまざまな遊び心」


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