イチ押し絵本情報

極彩色で描かれる、摩訶不思議な汽車の旅(ロングセラー&名作ピックアップ Vol.101)

2016年10月6日

毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。

 極彩色で描かれる、摩訶不思議な汽車の旅

今回ご紹介する絵本は、スズキコージさんの絵本『エンソくん きしゃにのる』。1986年に月刊「こどものとも」の一冊として刊行され、その翌年、第36回小学館絵画賞を受賞、1990年に単行本化されたロングセラーです。

田舎のおじいさんのところへ、ひとりで遊びに行くエンソくん。ほげた町のほげた駅から汽車に乗って、終点の駅まで向かいます。高原の駅でたくさんの羊が乗り込んできたり、駅弁を買って食べたり…エンソくんのひとり旅は、ドキドキワクワクがいっぱいです!

見開き

子どもが初めてひとりで汽車に乗り、おじいさんの待つ終点の駅まで行く…それだけ聞くと他にもありそうな絵本なのですが、作者はスズキコージさん。独特の極彩色で、見る者を異世界へと導きます。

そもそも「エンソくん」や「ほげた町」という名前も、描かれている町の風景も、日本のものとはまったく思えません。エンソくんが買って食べる駅弁は、ごはんの代わりにトウモロコシがぎっしり。中南米や東南アジア、東欧諸国など、世界を飛び回って活動してきたスズキコージさんならではの、無国籍な雰囲気の漂う絵本です。

物語の一番の山場は羊だらけの車内で駅弁を食べるシーンかもしれませんが、どのページもすべて濃密で、圧倒的な迫力をもって描かれているので、起承転結など関係なくぐいぐいと引き込まれてしまいます。

<ミーテ会員さんのお声>
息子の、夏休みで一番おもしろかった本が『エンソくんきしゃにのる』だそうです。大好きな蒸気機関車が、迫力あるタッチで描かれていたり、なぜか高原の駅から羊の群れが乗ってきたり…息子のツボにはまったようです。

絵のタッチや風景の感じから、外国の作家さんの作品かと思っていましたが、日本の絵本作家さんの作品だったのですね。意外でした! 電車好きな息子のお気に入り絵本が増えました。(3歳10か月と6歳10か月の男の子のママ)

「こどものとも」発刊時の付録「絵本のたのしみ」によれば、エンソくんは「サンソ・スイソ・チッソなどの元素名からとったもの」とのこと。エンソの下に「くん」をつけると“遠足”になるということもあって、「エンソくん」という名にしたとスズキコージさんご自身が語っておられます。

一度ハマるとすっかり魅了されること間違いなしの、スズキコージワールド。『エンソくん きしゃにのる』が気に入ったら、『きゅうりさんあぶないよ』『ウシバス』『サルビルサ』など、他の作品もぜひ手に取って、摩訶不思議な世界観を味わい尽くしてみてくださいね。


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