毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。
今回ご紹介するのは、佐々木マキさんの『変なお茶会』です。雑誌「母の友」(福音館書店)1979年1月号の巻末付録の豆本として発表された後、同年9月に絵本館より単行本化されました。
トランスバールのロマーナから、今年も例の招待状が届きました。「ゼヒホンネンモウチソロイテ オイデクダサルオマチシテイマス」。世界各地の個性的な人々がユニークな乗り物で、お茶会の開催地であるトランスバールの城に駆けつけます。毎年同じ時期に催される“変なお茶会”とは一体…?
絵本にしては比較的小さめのB6サイズは、もとが手の平に乗る豆本だったからでしょうか。カバーを外すと布張りの装丁。版画風のイラストと独特の色合いがレトロな雰囲気を醸し出しています。
物語の最初に登場するのは、ところどころ誤った日本語が使われた、片仮名表記の招待状。どうやらオオイワさんのところには、この招待状が毎年届いているようです。その後は、世界各地から常連客がお茶会に向かう様子が描かれます。電動自転車、気球、ローラースケート、象や麒麟など、乗り物も風変わりなものばかり。その珍妙さが読み手を惹きつけます。
トランスバールの城の前で一年ぶりに再会した彼らは、暗い森を抜けた先に用意されたテーブルにつきます。月が上るといよいよその時! 岩山から天然のココアが湧き出すのです。おいしいココアを存分に味わうと、「ご機嫌よう お達者で」と別れを告げ、それぞれの帰路につきます。
『変なお茶会』のタイトル通り、冒頭からクライマックスまで変なことが盛りだくさんのお話。ことば遣いは昔風で、大人向けの絵本のようでもありますが、実は子どもからの人気も高いと評判の一冊です。
<ミーテ会員さんのお声>
『変なお茶会』は私自身が昔、読んだことがあったので、懐かしくなって息子と一緒に読みました。この面白さはまだわからないかな?と思ったのですが、意外と最後まで興味津々。「岩山から天然のココアがわく!」と声も高らかに読み上げると、大笑いしていました。(4歳11か月の男の子のママ)
作者の佐々木マキさんはもともと漫画家で、『やっぱりおおかみ』で絵本作家デビュー、以来たくさんのナンセンス絵本を世に出されています。『ぶたのたね』のシリーズもおすすめですよ。
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