イチ押し絵本情報

我が子と重なる、ふわふわ毛の子犬ころわん(ロングセラー&名作ピックアップ Vol.310)

2020年11月5日

毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。

 我が子と重なる、ふわふわ毛の子犬ころわん

今回ご紹介する絵本は、間所ひさこさんの作、黒井健さんの絵による『ころわんは おにいちゃん』。1986年に出版されたロングセラーです。1983年に月刊絵本「チャイルドブックアップル」に『あめのひのころわん』が掲載されて以来、愛され続けている「ころわん」シリーズの一作です。

ある日子犬のころわんが公園に遊びに行くと、赤ちゃん猫がひとりで「みゅう、みゅう、みゅう」と鳴いていました。鳴くばかりの子猫を放っておけず、ころわんはお母さんを探してあげることにしました…。

見開き

ふわふわとした柔らかい手触りまで伝わる毛並み、ベージュから焦げ茶色のグラデーションのやさしい毛の色。子犬のころわんは見る人の心を和ませる愛らしい姿をしています。

その愛らしさもさることながら、40年近く数多くの親子に愛され続けてきた理由は、ころわんの行動やしぐさ、表情にあるでしょう。初対面の子猫との距離感、お母さんを探してあげる正義感、大きい猫に対して恐れを抱く様子、何より「お兄ちゃん」と言われた時のくすぐったそうな、誇らしげな笑顔。「うちの子を見ているよう」という声も多い、小さい子ども達のリアルな表情がそこにはあるのです。

また「ころわん」シリーズのもうひとつの魅力が、季節感ある身近な自然。今作、ころわんと子猫に寄り添っているのはタンポポで、今の季節なら『あきいろのころわん』の落ち葉など。わざわざ遠出をすることなく、いつものお散歩コースにあるもので季節感を教えてくれるのです。

黒井健さんが初めてころわんシリーズを手がけた時、黒井さんのお子さんはまだ小さかったそう。ころわんにお子さんの姿を重ね、「ころわんのことは、犬ではなくて子どもだと思って描いてるんですよ。犬っぽいお話がくると、間所(ひさこ)さんに『やめましょう』って言うんです」とインタビュー(後編)で語っておられます。おふたりがころわんをどのように大事にしてきたか伝わるエピソードです。

2019年に間所さんが亡くなり、同年出版された『しろいしろいころわん』が、ころわんシリーズの最後となってしまいました。奇しくも、シリーズで最初に書籍化した『ゆきのひの ころわん』と同じ雪のお話。「ゆきのひ」はたっぷり積もった雪、最新作は初雪。どちらも雪にはしゃぐころわんが愛らしいですよ。

<ミーテ会員さんのお声>
幼稚園後は、いつも通り公園から図書館へ寄って帰宅。下の子は、ころわんが大好き。何冊も借りた中で、今回は『ころわんはおにいちゃん』がお気に入りだね。何度も何度も「読んで!」って言ってたね。ころわんと子猫、どっちに自分を重ねて聞いているのかなぁ。(2歳5か月と4歳10か月の女の子のママ)

20作以上あるシリーズの中でも人気なのは、『クリスマスのころわん』だそう。クリスマスに向けて、一度手に取ってみてくださいね。
※シリーズの何作かは品切れです。書店で手に入らない場合は、図書館などで探してみてくださいね。

▼黒井健さんのインタビューはこちら
「読み聞かせの心得は“ただ楽しむこと”」


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