イチ押し絵本情報

おにぎりくんの決めゼリフは「心配ご無用!」(ロングセラー&名作ピックアップ Vol.268)

2020年1月16日

毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。

 おにぎりくんの決めゼリフは「心配ご無用!」

今回ご紹介する絵本は、とよたかずひこさんによる『おにぎりくんがね‥』。2008年に『たまごさんがね‥』と共に出版された、赤ちゃんの身近な食べものが動きだす「おいしいともだち」シリーズの1作目です。

おにぎりくんが、うめ、シャケ、おかかの具を食べて、おいしそうな3つのおにぎりになりました。どれがどの具かわからなくなっても、心配ご無用!

見開き

主役は3個のおにぎり。おにぎりは普通人の手でごはんを握ってつくるものですが、こちらのおにぎりくんは違います。表紙やトビラから、「にぎにぎ…」と自分で自分を握っているのです。形が整うと、「ぱくっ」と具を食べ、のりも自分でまきつけます。

 

ごはんを握るのも、のりをまきつけるのも、1ページでは済まないスローなテンポ。何とか自分でパジャマを着られるようになり、ごはんも自力で食べられるようになった子ども達と重なります。お話は決して焦らず、おにぎりくんの、ひいては子ども達のペースに、そっと寄り添います。

とよたかずひこさんはミーテカフェインタビューの中で、「ももんちゃんは自立した赤ちゃんですが、今度の(おいしいともだち)シリーズでは食べ物が自立するんですね。子育てをしていると、どうしてもいろんなことに過剰に反応してしまいがち(中略)子どもが本来持っている生命力にもっと期待していいんじゃないかな」と語っておられます。

また、リズミカルなことばも本作の魅力のひとつでしょう。始めは「にぎにぎ」「ぱくっ」「よいしょ」というオノマトペが。後半では、おにぎりくん達が歌う「♪おにぎり にぎにぎ 食べてみな うめ シャケ おかか 食べてみな」という、うた。読んでいる大人も楽しくなってくるのですから、子ども達は言うまでもありません。一緒ににぎったり、歌ったり、食べたり、大忙しになることでしょう。

そして、忘れてはならないのが、声に出せば元気になれる決めゼリフ「心配ご無用!」。普段耳慣れないことばだけに印象に残り、子ども達のお気に入りのセリフになることでしょう。ちょっとした問題があっても、自分達の力で解決できるよ。心配性になりがちなママ・パパに対して、子ども達の気持ちを「おいしいともだち」が代弁しているかのようです。

<ミーテ会員さんのお声>
最近お気に入りの『おにぎりくんがね‥』。今日も「大きくなったから自分で読む」と言って自分で読んでました。丸暗記してるみたい。おにぎりが口を開けて具を食べるところが一番好きで、「ぱくっ」って元気に言って、今度は自分が具をつまみます(笑) もちろん「心配ご無用!」もシリーズ通じて大好き。

最後のページの3個並んだおにぎりは、ひとつ取って「ぱくっ」と食べるマネ。もうひとつは私に「どうぞ!」。最後のひとつは「お父さんの」だそうです。平日はいつも娘が寝てから帰ってくるお父さんに取っておいてあげるなんて、やさしいね。(2歳3か月の女の子のママ)

『おにぎりくんがね‥』は、とよたさんの紙芝居『おむすびくん』がきっかけなって生まれたそうですよ。シリーズで大好き、という方はぜひ一度のぞいてみてくださいね。

▼とよたかずひこさんのインタビューはこちら
「絵本を通じて、子どもにエネルギーを与えたい」


ページトップへ

会員登録後は、名作絵本や「絵本子育て相談室」など、様々な絵本情報をご覧いただけます。(平日毎日、更新!)