イチ押し絵本情報

フレー、フレー! 虫だらけの運動会(ロングセラー&名作ピックアップ Vol.253)

2019年9月26日

毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。

 フレー、フレー! 虫だらけの運動会

今回ご紹介する絵本は、2001年初版の『むしたちのうんどうかい』。得田之久さんの文、久住卓也さんの絵による人気シリーズの1作目です。

林の中の広場で、虫達の運動会が始まります。はしりっこ競争ではキリギリスが大活躍。とびっこ競争ではチョウチョウが、あっちにひらひら、こっちにひらひら。なかなかゴールにたどり着きません。玉入れに踊り、そしてみんなが楽しみにしていた綱引きも! 赤組と白組、どっちが勝つのかな?

見開き

描かれるのは「虫vs虫」の運動会。入場行進の後の応援合戦は「ガチャガチャ ギッチョン コロコロ リーン」「ツクツク カナカナ ジー ミンミーン」ととっても賑やかです。

いろいろな虫がいるので、走り方も十人十色。足が長いのに走るのが苦手なガガンボ、ふんの玉を後ろ足で転がしながら走るフンコロガシ、途中で土の中にもぐってしまうケラなどの姿が、ユーモラスに描かれています。玉入れの玉はダンゴムシ。お昼休憩を挟んで、ダンスに綱引きと、運動会は最後まで大いに盛り上がります。

登場する虫達の姿と名前は、折り込みの冊子で確認することができます。カブトムシやカマキリ、バッタといったメジャーな虫から、トビフナムシ、ハナムグリ、マイマイカブリなどのあまり見慣れない虫まで、その数なんと45種! すべて覚えることができたら、それだけで随分と虫に親しむことができます。

作者の得田之久さんは図鑑『昆虫』『かまきり』などで知られる虫の絵本の第一人者ですが、この絵本では、絵は漫画家としても活躍する久住卓也さんに任せて、文章だけを担当されています。折り込みの冊子の最後には、「虫嫌いな子どもや虫に関心のない子どもたちにも、少しでも虫に親しんでもらえたらという願いをこめて、ちょっと人なつっこくユーモラスにつくってみました」という得田さんの思いがつづられています。

<ミーテ会員さんのお声>
「よーいドン!」ではなく、ミイデラゴミムシのおなら「よーいブーッ!」でスタートするのが面白かったようで、けたけた笑っていました。続編の『むしたちのおんがくかい』も読むと、絵を見ながら、「これ、よーいブーの虫や~!」と気づいて指さします。最近はおならをするたびに「よーいブーッ!」を思い出しています。

おならで印象に残ってしまった絵本ですが、この「むしたちのシリーズ」、とてもたくさんの虫が描かれています。どの虫も特徴をとらえて、お話の役柄にあてはめられていて、とても面白いです。運動会や遠足などを自分でも経験するようになったら、いろいろわかってもっと楽しいだろうな。また、読み返してあげたい絵本です。(3歳6か月の男の子のママ)

運動会から始まった「むしたちのシリーズ」は他に『むしたちのおまつり』『むしたちのえんそく』『むしたちのサーカス』など全6冊。コミカルで親しみやすい絵と、虫の生態を踏まえた楽しいお話で、自然への興味を育むことができますよ。


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