毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。
今回ご紹介する絵本は、黒川みつひろさんの『たたかえ「恐竜」トリケラトプス』。1992年に発行され、今年25周年になる「恐竜トリケラトプス」シリーズの第1巻です。
今から7000万年も昔のアメリカ大陸のこと。気候の変化で食料の植物が減ってしまったトリケラトプスの群れは、南へ旅立つ準備を始めています。その群れを、恐ろしい肉食恐竜・ダスプレトサウルスがつけ狙っていたのです…。
筋肉の動きがはっきり感じられる、巨大で重量感のある体。ド迫力の牙や角。これが同じ地球上にいた生き物だろうかと不思議に思えば思うほど、ロマンと憧れをかき立てられます。
多くの子どもが恐竜の魅力にはまり、恐竜の長く難しい名前はもちろん、生態や個性的な体の特徴、時に生息地や時代の植生に至るまで研究者顔負けに詳しくなっていきます。
そんな子ども達の期待に応えているのが、黒川みつひろさんの描く『たたかえ「恐竜」トリケラトプス』から始まるシリーズではないでしょうか?
加えて、巻末にはお話に登場する恐竜達や恐竜のいた時代について詳しく紹介、子ども達の「もっと知りたい」という気持ちにこたえてくれます。
また、物語性があるのも人気の理由のひとつでしょう。強くて巨大な恐竜の中、小さなトリケラトプスの子リトルホーンが主役です。わんぱくで遊び盛り、好奇心旺盛な小さな子どもの恐竜が、思いもかけない事件に出くわし、小さな勇気を振り絞って活躍します。子ども達はお話を聞きながら自分の姿を投影することでしょう。
作者の黒川みつひろさんはインタビューの中で、「トリケラトプスのシリーズには、子どもたちにも困難に逃げずに立ち向かっていってほしい……そんなメッセージも込めています」と語っています。また、「きっと僕は子どもの頃から、恐竜を通して地球のエネルギーみたいなものを感じ取ろうとしていたのじゃないか?」とも語る、子どもの頃からの恐竜好き。恐竜好きの子どもの気持ちを知っているからこその、細部へのこだわりと恐竜の多彩な顔ぶれでしょう。そして何より、恐竜の世界に空想力で遊ぶ楽しさを伝えてあまりある作品となっているのではないでしょうか。
<ミーテ会員さんのお声>
今の一番お気に入りは、幼稚園にシリーズが揃っている「恐竜トリケラトプス」シリーズ。基本的に肉食恐竜が好きな娘。肉食は悪者として描かれていますが、内容には関係なくダスプレトサウルスやティラノサウルスの方に注目(苦笑) でも、やっぱり主役のトリケラトプスの子も気にしてて、「頑張って走ったよね」とか、絵本の後ろについてる恐竜の説明ページを見ながらおしゃべり。まだカタカナは読めないけれど、どの恐竜絵本や図鑑見ても、どれが何の恐竜か分かるようです。私も長い名前にすっかり慣れてきました(笑)
お腹にいる頃から、しょっちゅうティラノサウルスだトリケラトプスだって聞いてるから、息子も恐竜好きになるかしら?(4か月の男の子と4歳0か月の女の子のママ)
リトルホーンは人間の子どもと同じかわいらしさがあります。あまり恐竜を知らないママ達も親しみやすいところが、長年愛され続けている理由かもしれませんね。
また、25周年を記念してリトルホーンの人形や4月始まりのカレンダーが当たるフェアを開催中。締め切りは3月15日だそうなので、気になる方はお早めに。
▼小峰書店
https://www.komineshoten.co.jp/
▼黒川みつひろさんのインタビューはこちら
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