毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。
今回ご紹介するのは、さいとうしのぶさんの『あっちゃんあがつく― たべものあいうえお』。1000円前後の絵本が多い中、本体価格1800円と比較的高額ながら、2001年の出版以来、順調に版を重ねている人気作です。
価格が高い理由は、この本を手に取れば明白です。サイズこそ小ぶりですが、厚さは3cm弱。なんと140ページもあるのです。「『だいちゃん』や『じゅんこちゃん』など濁音で始まる名前の子どもたちもいるから」という配慮から、濁音や半濁音まで網羅したため、ページ数が多くなったそうです。
ページをめくると、左側には「あっちゃんあがつく あいすくりーむ」の文章、右側には文に合わせた絵、というシンプルな構成。巻末には楽譜が掲載されていて、歌いながら読むことができます。
最後までどんどん歌い進めていくのも楽しいのですが、この絵本の何よりの魅力はリアルでユニークな絵にあるので、それぞれのページをじっくり味わうのもおすすめです。
たとえば「えっちゃん えがつく えびふらい」のページ。油のプールに勢いよく飛び込む海老フライの隣には、怖がりの海老フライが怯えている姿が描かれています。奥の方には「僕も今すぐプールに入りたいよー!」と言わんばかりに元気に走る、小麦粉しかつけていない子どもの海老と、「待ちなさい、卵とパン粉をつけてからよー!」と追いかけるお母さん海老。手前には、すでにこんがりとおいしそうに揚がった海老フライが悠々とくつろいでいます。
どのページもそれぞれに物語があるので、「今日はこのページね」と決めて、絵を見ながらお話をつくって聞かせてあげるのもいいでしょう。アイスやチョコ、チーズなど、おなじみのパッケージがたくさん登場するのもお楽しみのひとつ。歌うように読み進めるうちに、自然と「あいうえお」が身につくというのも、うれしい魅力です。
<ミーテ会員さんのお声>
家族で本屋さんへ出かけた時、あまりのラブリーさに目が釘付けになって思わず買ってしまったのがこの本。絵も文もかわいい! 節もかわいい! しかもとっても覚えやすくて、親子で歌いながら読んでいます。もともとお料理好きなことに加え、最近ひらがなを覚え始めた娘にはどんぴしゃ☆ 毎日いっぱい本を読んでいるけど、久々に「ホームラン級」にお気に入りの本になりました。(3歳11か月の女の子のママ)
1冊で10冊分以上あるのでは!?という読み応えを考えれば、1800円という価格はむしろ安いくらい。いくらでも楽しめる、お得感満載の絵本です。
峯陽さんのうたをもとに生まれた…という誕生秘話は、作者・さいとうしのぶさんがインタビューの中で語ってくださっています。ぜひ読んでみてくださいね。
▼さいとうしのぶさんのインタビューはこちら
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