絵本や読み聞かせにまつわる皆さんからのご質問に、ミーテ編集部の現役子育てママライターが週替わりでお答えします!
☆スージー(元・子供服メーカー勤務)
乗り物大好き、子鉄くんのママ。思い出の絵本は『がたごとがたごと』と『いろいろバス』。
☆アッコ(元・情報紙編集部勤務)
外遊び命、元気印の男の子のママ。ファーストブックは『くっついた』と『やさいさん』。
ミーテ会員の皆さんからの相談が多いテーマについて、絵本作家さんのインタビューから抜粋してお答えします。今回のテーマは、「読み聞かせで大事なことは?」。絵本作品としては『もこもこもこ』、『わたし』、『あな』などのロングセラー、絵本の翻訳では『スイミー―ちいさなかしこいさかなのはなし』などを手がけられている詩人の谷川俊太郎さんのインタビューをのぞいてみましょう。
「読み聞かせにはどんないい効果があるの?」というのは、たくさんのママ・パパの気になるところかと思います。例えば、言語能力が高まる、想像力が豊かになる、集中力がつく、情緒が落ち着く、親子の信頼関係を深めるなどなど、様々なことが言われています。効果を実感されている方がたくさんいらっしゃるということかとは思いますが、教育的効果のほどがわかるのはお子さんが大きくなってから。また多くの要因がかかわって、「これが読み聞かせの教育的効果」と言い切るのは難しいのが正直なところでしょう。
一方、赤ちゃんの頃から「読み聞かせをしてよかった!」と実感できるのは、親子のコミュニケーションが豊かになるということではないでしょうか。実際、赤ちゃんが笑ったり、指さしたりという反応を引き出すきっかけになりますし、少し大きくなれば共通の話題として絵本が会話を豊かにしてくれます。
谷川俊太郎さんはミーテカフェインタビューの中で、「会話することって、もともとスキンシップなんですよね。(中略)笑ったり相づちを打ったり、そういう意味のない部分(中略)が潤滑油になって、『この人はわかってくれたな』と感じる。それと同じで、お母さんの声や抑揚、体の温かさが、読んでいる本の言葉以上に伝えることがあるんじゃないでしょうか」と語っておられます。絵本を読むという行為そのものが、親の愛情を子どもに大いに伝えるということでしょう。
「子どもに選んでもらった本です」とロングセラー『もこもこもこ』について誇らしげに語った谷川さん。読み聞かせについても、「これを与えれば子どもはこう進歩するだろう、っていう教育的な発想ではなく、一緒に楽しむことが一番大切なんじゃないかな」というアドバイスをされています。つい私たち親というものは愛情ゆえに「勉強ができる子に…」などと期待してしまいがち。はやる心を押さえて、まずは目の前の子どもと一緒に楽しむことを、より大事にしてもいいのかもしれませんね。
『おならうた』は2024年11月に逝去された谷川俊太郎さんが、各地でご自身の詩を朗読する際に、子どもたちに「必ずウケる」とよく選んでいた一冊。リズミカルな文章と迫力ある絵に、笑わないではいられません。谷川さんの詩は、これからも親子の楽しい読み聞かせの時間を彩ってくれることでしょう。
▼谷川 俊太郎さんのインタビューはこちら
「言葉はスキンシップ
子どもを膝に乗せて絵本を読んで」
(回答:ミーテ編集部・アッコ)
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