今回ご登場いただくのは、「くもんのはじめてのえほん」シリーズの『なにいろ?』や「とびだす・ひろがる! えほん」シリーズなどでおなじみの絵本作家・本信公久さんです。ファーストブックとして、お出かけのお供として、お世話になった方も多いのでは? 貴重な制作エピソードなどをたっぷりご紹介。4週連続でお届けします。
福島県出身。武蔵野美術短期大学卒業。デビュー作『シマウマだけどウサギ』でボローニャ国際児童図書展グラフィック賞受賞。主な著作に「くもんのはじめてのえほん」シリーズ(以上くもん出版)、「とびだす・ひろがる!えほん」シリーズ(偕成社)など多数。日本児童美術家連盟会員。
本信公久ホームページ http://motonobu.tumblr.com/
▲ちょうちょや風車、星、朝顔…。一見関係のないものが、形が変化することでつながり、また最初に戻るさまを描いた字のない絵本『ぐるり』(本体1748円+税、くもん出版)
静岡・河津町の小学校で、数年間ワークショップを続けました。そこの校長先生が、僕の展覧会を見て声をかけてくださったのがきっかけですね。例えば「赤いものを探そう」「早いもの見つけよう」や「怖いものを探そう」などテーマをいくつか出して、グループで絵を描いてもらう。「赤いもの」を選んだグループは、チューリップなどをたくさん描くわけですよ。
ある時「怖いものを探そう」グループの男の子が、大きな紙のある所だけ隠して見せてくれないんですよ。何だろうなぁと思ったら、担任の先生の写真を貼って、そこに牙だとか角だとかを描いてたんですよ(笑) 先生は後から見て笑ってましたけれどね。
絵を描いた後でお母さん方がいろんな絵本を読み聞かせしてくれました。その時聞いた話なんですが、『ぐるり』は文字がない絵本なんですが、それを読み聞かせしてるって言うんですよね。勝手に自分で話をつくって読んでいるらしいんです。だから人によって違うわけですよ。それを子どもにやらせたら、「春が来て、夏になって…」って言い出したそうです。確かに絵の内容は季節が移り変わる様子を描いています。子どもってのはすごいなぁと思いましたね。
ミーテでは、スペシャルインタビューの他にも、子育てに絵本を取り入れている先輩ママ・パパのお声もたくさんご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
本信公久さんのインタビューはまだまだ続きます。
僕は朝型で、今は3時半か4時頃起きて、自宅のアトリエで仕事をしています。仕事は昼で終わりです。それでも7、8時間、普通のサラリーマンと同じくらいの時間、仕事をやってるんですよね。
僕はせっかちなもので、仕事がたまっていると我慢できないんです。だから締め切りに遅れたこともほとんどないはずです。そして昼からは遊んでます(笑) 特に散歩ですね。
散歩と言っても同じところばかり歩いてもつまらないんで、電車に乗って、一度も降りたことのない駅で降りるんです。これがいいんですよ! 駅から、いろいろな道をたどって歩きますから、迷うんです。近くにいる人に「ここから一番近い駅はどこですか?」って聞きます。たまに「駅までいくから」と言って、一緒に歩いてくれる人もいましてね。知らない景色や人との出会いが、実にいいですよ! 仕事のことなどは考えていないですね(笑)
本信公久さんのインタビューはまだまだ続きます。