今回ご登場いただくのは、「くもんのはじめてのえほん」シリーズの『なにいろ?』や「とびだす・ひろがる! えほん」シリーズなどでおなじみの絵本作家・本信公久さんです。ファーストブックとして、お出かけのお供として、お世話になった方も多いのでは? 貴重な制作エピソードなどをたっぷりご紹介。4週連続でお届けします。
福島県出身。武蔵野美術短期大学卒業。デビュー作『シマウマだけどウサギ』でボローニャ国際児童図書展グラフィック賞受賞。主な著作に「くもんのはじめてのえほん」シリーズ(以上くもん出版)、「とびだす・ひろがる!えほん」シリーズ(偕成社)など多数。日本児童美術家連盟会員。
本信公久ホームページ http://motonobu.tumblr.com/
僕は小さい頃は、とても体が弱かったんです。ひとりっ子だったこともあって親が心配して、ちょっと熱っぽかったりするとすぐ学校はお休み。恥ずかしい話なんですけれどね、小学1年の時、母におぶさって遠足に行ったんですよ。それに、生ものを食べたこともなかったんです。疫痢になると言ってりんごなどの果物もダメ。親がそれほど心配するくらい、体が弱かったってことなんでしょうね。
それで、小さい頃はうちの中にいることが多かったです。おとなしく本を読んでいたり、絵を描いていたりすると、親も安心だったんでしょうね。「講談社の絵本」のシリーズは家にありました。『こがね丸』という話があったな。他にも『ももたろう』などの有名な話は読んでいましたね。誰かに読んでもらうというよりは、自分で読んでいました。
絵も好きで、よくすごい細かいのを描いていましたね。運動会などの学校の行事で、人間がたくさんいるようなものですね。あんまり人には見せないで、うちで描いているだけでした。絵はずっと好きで高校も美術部でしたけれど、自分が絵描きになるとは思わなかったです。
ミーテでは、スペシャルインタビューの他にも、子育てに絵本を取り入れている先輩ママ・パパのお声もたくさんご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
本信公久さんのインタビューはまだまだ続きます。
▲シマウマのシマにウサギ? 遊び心いっぱいの隠し絵絵本。ボローニャ国際児童図書展グラフィック賞受賞。『シマウマだけどウサギ』(本体1500円+税、くもん出版)
若い頃はグラフィックデザイナーをずっとやっていました。絵はほとんど描かず、レイアウトばっかり。雑誌1冊を丸々レイアウトするといった仕事でした。絵を描き始めたのは、当時仕事をいただいていた出版社の編集長から「1回絵を描いてみないですか?」と言われたから。自分から何かをやるより、言われてやることが多い気がしますね。
デビュー作になった『シマウマだけどウサギ』も絵本になるとは思わなかった。最初は個展のために絵を描いていたんですよ。ただの絵じゃつまらないんで隠し絵を描いてたら、くもん出版の編集の方が、絵本になるかもしれないって言ってくれたんです。
絵はありましたが、個展用の作品だからサイズはバラバラ。それを絵本の大きさに揃えてレイアウトし直しました。猪年や酉年の年賀状だったのを、この絵本のために大きく描き直したりもしました。ただ物語もなくて作品集みたいなものでしょう? 会社からも反対されたらしいんです。それがボローニャ国際児童図書展のグラフィック賞を、思いがけずいただいたんですよね。びっくりしました。
本信公久さんのインタビューはまだまだ続きます。