スペシャルインタビュー

さとうわきこさんに聞きました! 第4話<全4話>

photo

今回は、『せんたくかあちゃん』や「ばばばあちゃん」シリーズなど、愉快で心あたたまる作品の数々でおなじみの絵本作家さとうわきこさんの登場です。奇想天外なアイデアと抜群の行動力で、「困りごと」も、あっという間に「楽しいこと」に変えてしまうばばばあちゃん。産みの親のさとうさんも、パワフルでいたずら心のある素敵なお人柄でした。

第1話第2話第3話|第4話

さとうわきこさん

さとう わきこ

東京都生まれ。児童出版美術家連盟所属、子どもの文化研究所所員。デザインの仕事に従事したのち、子どものためのイラストレーションに興味を持つ。岡谷市小さな絵本美術館主宰。主な作品に『せんたくかあちゃん』『おつかい』「ばばばあちゃん」シリーズ(福音館書店)、『とりかえっこ』『ねえ、おきて!』(ポプラ社)、『ちいさいねずみ』(偕成社)などがある。

「小さな絵本美術館」をつくる

※さとうわきこさんは2024年3月28日にご逝去されました。故人のご功績を偲び、心からご冥福をお祈りいたします。

つるのうた3

▲長野県岡谷市にある、さとうさんが主宰する「小さな絵本美術館」 http://www.ba-ba.net/

私は東京生まれですが、今は長野県岡谷市に住んでいます。ここで暮らすようになったのは、「りんごがおいしいところがあるよ」と、ある編集者に誘われたことがきっかけでした。たしかにりんごはおいしくて、自然もあるということで、いつの間に住み着いてから、もう30年ほどになります。ここから見えるお月さまもすごくきれいよ。

でも、東京から離れてしまったので、ちょくちょく展覧会などに行けない。それで、「行くよりも借りてきて展示しちゃったほうがいいのでは?」なんて、夫に話したら「じゃあ、美術館をつくろう」って。それでできたのが、りんご園のなかにある「小さな絵本美術館」です。最初は絵本の原画を展示したいと思っていて、それまで海外には行ったことがなかったのに、各国へ行って作家さんにお願いするようになりました。

絵本で笑ってもらいたい

会員登録後、インタビューの続きをご覧いただけます。

ミーテでは、スペシャルインタビューの他にも、子育てに絵本を取り入れている先輩ママ・パパのお声もたくさんご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

photo

▲「小さな絵本美術館」には「ばばばあちゃん」シリーズの原画も多数展示されている

絵本の魅力は「追体験」ができることじゃないかしら。絵本の中のできごとを、自分の体験としてとらえることができる。自分が体験できなかったことを、絵本の中で体験できるなんて、楽しいでしょ。

読み聞かせる時も、「自分が楽しい」のが一番だと思います。私の場合、絵本の中で「こんなことしてみたいな」というシーンがあったら、そこをうんと強調して読みます。そのほかの文章は棒読みしちゃうくらいね。あまり教育的なことではなくて、「笑ってもらいたい」って思うんです。

それは私が落語好きだからかしらね。小さい頃はおてんばでしたけど、じつは病弱でよく入院もしていたのですが、その時にラジオから流れてきたのが落語。お笑い好きなのが絵本づくりに影響しているのかも。

じつはいま、「じじじいちゃん」も考え中です。このモデルは100歳近くになる夫の父。りんご園の実がなると、それを狙う鳥がいるのですが、じいちゃんは、鳥に食べられないよう、なんと弓と矢を手づくりして、鳥を驚かしているんです。ときどき爆竹を鳴らしたり…そんなじいちゃんを見ていると、楽しいアイデアが湧いてきます。合理的なところもある「ばばばあちゃん」とは、また一味違った「じじじいちゃん」になりそう。

私自身がばばばあちゃんを目指しているかって? いえいえ、あんなハチャメチャな人、それはないわ(笑)

 合わせて読みたい
ミーテに登録したらどうなるの?はこちら
スペシャルインタビュートップはこちら

ページトップへ