スペシャルインタビュー

さとうわきこさんに聞きました! 第3話<全4話>

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今回は、『せんたくかあちゃん』や「ばばばあちゃん」シリーズなど、愉快で心あたたまる作品の数々でおなじみの絵本作家さとうわきこさんの登場です。奇想天外なアイデアと抜群の行動力で、「困りごと」も、あっという間に「楽しいこと」に変えてしまうばばばあちゃん。産みの親のさとうさんも、パワフルでいたずら心のある素敵なお人柄でした。

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さとうわきこさん

さとう わきこ

東京都生まれ。児童出版美術家連盟所属、子どもの文化研究所所員。デザインの仕事に従事したのち、子どものためのイラストレーションに興味を持つ。岡谷市小さな絵本美術館主宰。主な作品に『せんたくかあちゃん』『おつかい』「ばばばあちゃん」シリーズ(福音館書店)、『とりかえっこ』『ねえ、おきて!』(ポプラ社)、『ちいさいねずみ』(偕成社)などがある。

お月さまから生まれた『いそがしいよる』

※さとうわきこさんは2024年3月28日にご逝去されました。故人のご功績を偲び、心からご冥福をお祈りいたします。

いそがしいよる

▲ばばばあちゃんシリーズの記念すべき第1作『いそがしいよる』(作・絵:さとうわきこ、福音館書店)

たくましさを表現するために「かあちゃん」を描きましたが、「かあちゃん」だとちょっと行動に制限がある。それで、その延長線上に生まれたのが、「ばばばあちゃん」です。「ばあちゃん」であれば、ハチャメチャなことをやっても許されるけど、「かあちゃん」だと子どもの目があるでしょ(笑)

でも「ばあちゃん」だと、あまりにも身近すぎるので、そうではなく、たくましくて近代的な「ばあちゃん」にするため、「ばば」をつけて「ばばばあちゃん」にしました。「ば」が3つあると、たくましさも3倍よ。

「ばばばあちゃん」シリーズ最初の『いそがしいよる』は、ばばばあちゃんがずーっとお月さまを見ていたいと、家の中からどんどんものを外に出す話ですが、これには、こんなエピソードがあります。

ある時、岩手県での仲間との仕事帰り、夜遅くなってしまい、あたりは真っ暗闇。懐中電灯ひとつで仲間と歩いていたら、突然山がピカッと光ったの。「怪獣だ!」と大騒ぎ。じつはお月さまで、みるみるうちにものすごく大きくなって。とってもきれいで、みんなうれしくなって、「お月さまいくつ」と歌いながら山道を降りてきました。この時の、きれいなお月さまの強い印象が元になっているんです。

登場する人達の半分は私自身

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さとうわきこさんのインタビューはまだまだ続きます。

『ペンギンきょうだい バスのたび』

『そりあそび』(作・絵:さとうわきこ、福音館書店)も、さとうさんの体験から生まれた作品

作品の中で一番印象に残っているのは、やっぱり最初の絵本『おつかい』です。雨の日に、おつかいを頼まれた女の子のお話ですが、ここに登場する、おつかいに行きたくなくて次々と言い訳をする女の子は、まさに私自身のよう。じつはこの本、最初はスーパーで売ると言われていて、それで気楽に描けたんです。ストーリーもスムーズに浮かんできました。最初の作品なので、絵本をつくる苦労というものを知らなかった、ということもあります。

ばばばあちゃんに出てくる話は、母がやっていたことを思い出したり、自分がやっていることを見つめ直したりしてアイデアをつくっています。たとえば『そりあそび』は、スキー場に行った時に思いついたアイデア。スキーしていると暑くなって、真っ白な雪の上に転がって…という自分の体験を思い出して描いています。料理シリーズの料理も、実際に私がつくっているもの。いい加減なんですけどね(笑) だからばばばあちゃんの半分は私自身です。

さとうわきこさんのインタビューはまだまだ続きます。

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