Vol.67 『ぶくぶく ざばあ』作者・田中六大さんインタビュー
赤ちゃんとの絵本の時間を楽しみたい、すべての方へ。選りすぐりの赤ちゃん絵本の誕生秘話や、作家さん・編集者さんが絵本に込めた思いを伺いました。赤ちゃん絵本を楽しむヒントが詰まったインタビュー、今回は『ぶくぶく ざばあ』の作者である絵本作家・田中六大さんにご登場いただきます。
赤ちゃん絵本は、子どもが生まれた時に興味が出てきて、手にとるようになりました。自分でもいくつかラフをつくってみたんですが、「これはいける!」と思えるものができないまま、息子は9歳に、娘は6歳になってしまって。
それでもまだ赤ちゃん絵本をやってみたいという気持ちはあったので、赤ちゃん絵本を何冊も手がけている新井洋行さんに相談してみたら、「じゃあ一緒につくろう!」と言ってくれたんです。数か月後、新井さんが「企画が通ったよ!」と『ぶくぶく ざばあ』のテキストを送ってくれました。
これまでシンプルな絵を描いてこなかったので、『ぶくぶく ざばあ』の絵はかなり悩んで、編集者さんの意見も聞きながら、何度も描き直しました。新井さんはラフもつくってくれていたんですが、それも見ないようにしていて。僕のラフができあがった後、新井さんのラフを見たら、似た感じだったので、これでよかったんだと思いました。
シンプルな分、色が目立つので、印刷の際の色にはかなりこだわって、納得いくまで調整してもらいました。にこにこ笑顔で、楽しく読んでもらえたらうれしいですね。
子どもが赤ちゃんの頃は、「あかちゃんのあそびえほん」シリーズをよく読みました。かなりかじってしまって、ぐちゃぐちゃになったのを覚えています。『よ・だ・れ』もよく読んだのですが、息子は結構大きくなるまで、よだれがすごく出ていたのを思い出します。こんな風に、絵本がきっかけで出てくる思い出もありますね。
僕は赤ちゃんとの接し方がよくわからなかったのですが、赤ちゃん絵本のおかげでコミュニケーションをとることができました。赤ちゃんとどうやって遊んだらいいかわからなくて戸惑っている人もいると思いますが、そんな時は絵本を読むといいですよ。遊びのアイデアがなくても、絵本はとにかく読めばいいので、赤ちゃんとのコミュニケーションツールとしてとても優秀だと思います。
赤ちゃんにとって、身近な大人が自分のために笑顔で絵本を読んでくれる時間と経験は、とても大切です。そして同じように、赤ちゃんに絵本を読んであげたという時間と経験は、大人にとっても大きな意味があると思います。赤ちゃん時代は短く、二度と戻りません。ぜひたくさん絵本を読んであげて、宝物のような思い出を増やしてください。
新井洋行さんと田中六大さんの絵本『ぶくぶく ざばあ』に直筆サインを入れていただきました! ミーテ会員3名様に抽選でプレゼントします。
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プレゼントの応募は締め切りました。当選者の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。
田中 六大(たなか ろくだい)
1980年、東京都生まれ。多摩美術大学院美術研究科絵画専攻版画コース修了。漫画家、イラストレーター、絵本作家。主な作品に『だいくのたこ8さん』(文・内田麟太郎、くもん出版)、『おすしですし!』(文・林木林、あかね書房)、「しょうがっこうへ いこう」シリーズ(文・斉藤洋、講談社)、『うどん対ラーメン』(講談社)、『おしっこモラスター』(あかね書房)などがある。