Vol.58 『けんけん ぱっ』作者・にごまりこさんインタビュー
赤ちゃんとの絵本の時間を楽しみたい、すべての方へ。選りすぐりの赤ちゃん絵本の誕生秘話や、作家さん・編集者さんが絵本に込めた思いを伺いました。赤ちゃん絵本を楽しむヒントが詰まったインタビュー、今回は、にごまりこさんにご登場いただきます。
『けんけん ぱっ』は、動物達がただただ「けんけん ぱっ」する絵本なのですが、はじめはつたなくて、ひとり喜びをかみしめていたら、なんだかだんだん友だちが増えていって、どんどん勢いが増して、もう楽しくって仕方がない!という様子を描きたいなと思ってつくった絵本です。
そんな心躍る喜びって、私にとっては何だったかな、と思い起こすと、はじめてスキップできた頃、スキップのフワッと宙に浮く感じが楽しくて楽しくて、幼稚園の先生に「まりこちゃん、普通に歩いていらっしゃい」と何度も言われるほど、いつでもどこでもスキップしていたなぁ、そういう気持ちを表現したいな、と思って描きました。
制作時は、動物達が本当に楽しんでいるように描くことを大切にしています。「こんなことができちゃった!」という心のときめきと、「ねぇ、すごいでしょ!? こんなことできるのよ!」とちょっと得意げな動物達の表情を楽しんでもらえたらうれしいなと思います。
読み手のママやパパから、「ぱっ」と一緒に言う、最後の「けんけん けんけん」を読むと赤ちゃんが「ぱっぱっぱー!」と応えてくれる、赤ちゃんが声をあげて笑うのがうれしい、といった感想をいただいてとってもうれしいです。
絵本を描く上で大切にしていることは、とにかく楽しい気持ちで描く、ということです。赤ちゃんはきっといろいろ見透かしてしまうから、嘘がないように、心の底から楽しい、うれしいを感じながら描きたいなと思ってます。
赤ちゃんと読む人がぴったりくっついて、絵本の世界を一緒に楽しめたら、ずっとずっと記憶に残る幸せな時間となるのだろうなと思います。『けんけん ぱっ』がそんな時間の一冊になれたら、これ以上の喜びはないなぁと思います。
これから赤ちゃんへの読み聞かせを始められる方は、ママパパの好きだなと思う絵本、赤ちゃんが興味を示す絵本、時には「え!? これ面白いのかな!?」みたいな絵本も選んでみるといいかもしれません。読んでみないと、何がヒットするかわかりませんもんね。過去の名作絵本から今どきの絵本まで、何でも世界中の絵本を手にとってみられたら、きっとママパパも楽しいのではないでしょうか。
にごまりこさんの絵本『けんけん ぱっ』に直筆サインを入れていただきました! ミーテ会員3名様に抽選でプレゼントします。
プレゼントの応募は締め切りました。当選者の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。
にご まりこ
1975年、兵庫県生まれ。京都精華大学美術学部デザイン学科卒業。スペースユイ(東京)などで個展開催。絵本に『みんな こんにちは』『ブルブル ブブブー』『らくだ』『けんけん ぱっ』(以上、福音館書店)、『ともだちになっちゃった』(文・ますだゆうこ、そうえん社)などがある。