Vol.51 「Sassyのあかちゃんえほん」シリーズ作者・La ZOOさんインタビュー
赤ちゃんとの絵本の時間を楽しみたい、すべての方へ。選りすぐりの赤ちゃん絵本の誕生秘話や、作家さん・編集者さんが絵本に込めた思いを伺いました。赤ちゃん絵本を楽しむヒントが詰まったインタビュー、今回はLa ZOOさんにご登場いただきます。
La ZOOは、絵本を中心とした企画・編集・デザインチームです。『だあれかな』や『ころころまるちゃん どこ』など、赤ちゃん絵本もいくつも手がけてきましたが、「Sassyのあかちゃんえほん」のように、おもちゃが先にあってそれを絵本化する、というのは初めてのことでした。
Sassyはアメリカ生まれの知育玩具で、世界45か国で展開されているそうです。絵本シリーズの企画は、編集者さんがSassyの展示会に行かれたのがきっかけだったと伺っています。イラストをお引き受けしたのは、Sassyのコンセプトがしっかりとあったから、そして、赤ちゃんに対するポリシーに共感できたからです。
絵本の制作は、Sassyのコンセプトやルールに則ってイラストを起こすところから始めました。Sassyでは、丸はきっちりとまんまる、顔は左右対称であることが大事にされています。私はそれまでいつもフリーハンドで描いてきたので、そこまできっちりと描くと冷たい印象にならないか…という心配が当初はありました。でも、いろいろと迷った末に、コンピュータを使ってとことん図形的に描いていくことで、Sassyのおもちゃがそのまま二次元化したような絵本に仕上げることができました。Sassyのおもちゃで遊んでいる子にとって、絵本のキャラクターは、よく知っている友だちのような存在だと思います。
「Sassyのあかちゃんえほん」は、全体的にはとてもカラフルな絵本なのですが、最後の見開きのひとつ手前にモノクロの見開きがあります。生後まもない赤ちゃんは視力が弱いので、白黒のシンプルな形の画面は、色に溢れたたくさんのイラストのある画面よりも、しっかり認識しやすいのだそうです。ラストの2見開きは、そこに赤ちゃんの大好きな「いないいないばあ」の要素も取り入れて、ページをめくると白黒がカラフルに、シンプルが賑やかに変わるような展開としました。赤ちゃんの大喜びするラストシーンにしよう、ということで生まれた構成です。
赤ちゃん絵本をつくる時にいつも心がけているのは、シンプルな画面づくりと、オノマトペをふんだんに使うこと。赤ちゃんは、ママやパパやお兄ちゃんお姉ちゃんがくっついてくれることが大好きですから、赤ちゃんとくっついたり、笑ったり、話しかけたりするきっかけになるように、と意識して文章や絵柄をつくっています。
ひざの上にだっこしたり、添い寝をしたりしながら絵本を読む…その時間は赤ちゃんの心を大きく育ててくれるはずです。そして赤ちゃんだけでなく、ママやパパ、お兄ちゃんお姉ちゃんにとっても、とても気持ちの安らぐひとときだと思います。焦らずゆったりとしたペースで、お子さんをちゃんと見つめながら、絵本の時間を楽しんでくださいね。
La ZOOさんの絵本『Sassyのちいくえほん いろいろ ぱっ』に直筆サインを入れていただきました! ミーテ会員3名様に抽選でプレゼントします。
プレゼントの応募は締め切りました。当選者の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。
La ZOO(ラズー)
絵本を中心とした、企画・編集・デザインチーム。「あそびのおうさまBOOK」シリーズ(学研)でボローニャ国際児童図書ノンフィクション賞を受賞。主な絵本に「てあそびおうたえほん」シリーズ(学研)、「ころころまるちゃん」シリーズ(教育画劇)、「Sassyのあかちゃんえほん」シリーズ(監修:Sassy/DADWAY、KADOKAWA)などがある。