毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。
今回ご紹介するのは、世界で3000万部突破の人気絵本シリーズの1作目、『にじいろのさかな』です。作者は、グラフィックデザイナー、イラストレーターとしても活躍するスイスの作家マーカス・フィスターさん。スイスでの初版は1992年、日本では1995年に谷川俊太郎さんの訳で出版されました。
青く深い遠くの海に、にじいろに輝くうろこを持った、にじうおと呼ばれる美しい魚がいました。にじうおは、きらきら光るうろこを羨ましがる仲間達に対して、いつもそっけない態度をとっていたため、気づけば誰からも相手にされず、ひとりぼっちになってしまいます。そこでにじうおは、賢いタコに悩みを打ち明けますが…。
この絵本の最大の特徴は、特殊な印刷技術によって実現された、きらきらと輝く銀色のうろこ。きらきらの加工は表紙だけでなく、すべてのページに施されていて、にじうおの特別な美しさを十二分に表現しています。
にじうおにとって、目もくらむほどに輝く美しいうろこは、自分だけの大事な宝物です。「誰にもあげたくない」と感じるのは、当然と言えば当然のこと。でも、そのせいでひとりぼっちになってしまったにじうおに、タコは、きらきらのうろこを1枚ずつ他の魚に分けてあげるようアドバイスします。そうすることで、「どうすれば幸せになれるかがわかるだろう」と言うのです。
自分の大切なものを、仲間と分かち合うこと。相手の喜びを自分の喜びとすること。分かち合うことで生まれる連帯感。感謝されることで感じる自分の存在意義…子どもも大人も、このお話から様々なことを感じることでしょう。本当の幸せって何だろう、ということについて、考えるきっかけをくれる一冊です。
<ミーテ会員さんのお声>
「きらきらうろこ」を、娘にも見せてあげたくて、だいぶ前に買った絵本。きらきらが本当にきれいで、娘もたくさん触っていました。もうお話の内容もだいぶわかるようになってきたので、今度はこのシリーズの他の絵本も買ってみようかな。にじうおが「きらきらうろこ」をみんなにあげて仲良くなったように、娘も幼稚園でお友だちと仲良く遊んでくれたらいいな。(3歳3か月の女の子のママ)
「にじいろのさかな」シリーズは、続編の『にじいろのさかなとおおくじら』、『にじいろの さかな まいごに なる』、『まけるのも だいじだよ にじいろの さかな』などの他、赤ちゃん向けの『にじいろの さかな 0歳の本』や数字が学べる『にじいろの さかな 1・2・3』など、関連絵本もたくさん出ているので、対象年齢に合わせて楽しめます。
埼玉県の川越市立美術館では現在、「にじいろのさかな原画展~マーカス・フィスターの世界~」を開催中。にじうおの世界を原画や資料でたっぷりと楽しめます。9月9日(日)まで(月曜休館)。入場料や開館時間など、詳細は講談社絵本通信にてお確かめください。
▼「特別企画展 にじいろのさかな原画展 ~マーカス・フィスターの世界~」詳細はこちら
http://ehon.kodansha.co.jp/event_list/167.html