毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。
今回ご紹介する絵本は、岩崎京子さんの作、二俣英五郎さんの絵による『十二支のはじまり』。1997年に出版された十二支の由来を語った定番絵本です。
神様が動物達におふれを出しました。「正月の朝、ごてんに来るように。来たものから順にその年の大将にする」。ところが、ねずみは猫に嘘を教えて…。十二支のはじまりがよくわかる物語。
今年はとら年、パパはうま年、ママはいのしし年、私は何年? など、お正月になると話題にのぼるのが十二支。なぜたくさんの動物の中から12種類の動物が選ばれたのか、なぜこの順番なのか、身近な動物が多いのになぜ猫は入っていないのか。そんな疑問を解決したり、動物の特徴をとらえたユーモラスなエピソードで十二支に親しんだりできるのが、十二支の始まりを描いた今作です。
以前ロングセラー&名作ピックアップでご紹介した『十二支のおはなし』以外にも、荒井良二さんの絵の『十二支のはじまり』など、十二支の由来を描いた絵本はたくさんあります。
そんな中、岩崎京子さんの描く十二支のお話は、「……したんだと」や「どこさ いくだ?」など、民話調の語り口や方言を交えたセリフなど、どこか懐かしいあたたかみのある雰囲気が特徴です。二俣英五郎さんの絵は素朴で親しみやすく、やさしい色合いが魅力です。ほどよく写実的に描かれているため小さい子にも各動物の特徴が正しく伝わるのも大事なところ。物語と絵が一体となった正統派の世界観で、小さい子どもが初めて十二支の話にふれるのに、ぴったりな作品と言えるでしょう。
この絵本で十二支を順に覚えたり、由来や動物の特徴がわかったりしたところで読みたいのが、十二支のキャラクター達が活躍する絵本。『十二支のお節料理』、『十二支のことわざえほん』、『十二支のおもちつき』など、十二支は絵本作家さん達の想像力を刺激するのか、ユニークな絵本がたくさんあります。ねずみと猫の関係、いぬとさるのケンカなどの共通の知識をもつことで、世代を超えて同じお話を楽しめるようになる。そんな読書の醍醐味を、二世代、三世代で味わってはいかがでしょうか。
<ミーテ会員さんのお声>
お正月に合わせて、上の子に十二支を伝えたいと思って『十二支のはじまり』を借りてきました。でも、Eテレの番組「にほんごであそぼ」で十二支を覚えていた娘の方が気に入って、何回も読んでいました。ちなみに、私がいぬ、夫がさるで、娘はとり。いつか夫婦喧嘩をしたら、娘が止めてくれるのかも!?(3歳7か月の女の子、7歳2か月の男の子のママ)
岩崎さんは、『かさこじぞう』や『ききみみずきん』など昔話の作品も多い児童文学作家さん。これをきっかけに昔話に親しんでみるのもおすすめですよ。
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