イチ押し絵本情報

愛情をきちんと伝えることの大切さ(ロングセラー&名作ピックアップ Vol.359)

2021年10月21日

毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。

 愛情をきちんと伝えることの大切さ

今回ご紹介するのは、アメリカの絵本作家ハンス・ウィルヘルムさんの『ずーっと ずっと だいすきだよ』です。原書『I'LL ALWAYS LOVE YOU』の初版は1985年。日本では久山太市さんの翻訳で1988年に出版されました。小学1年生の国語の教科書にも採用された名作です。

エルフィーとぼくは、一緒に大きくなりました。でも犬のエルフィーの方が、ぼくよりずっと早く大きくなりました。毎日一緒に遊んで、一緒に夢を見て…。でもぼくの背がぐんぐん伸びる間に、エルフィーはどんどん太って、階段も登れなくなりました。ある朝、目がさめると、エルフィーが死んでいました。悲しくてたまらなかったけれど、ぼくはいくらか、気持ちが楽でした。なぜなら…。

見開き

家族の一員としてともに過ごしてきた愛犬との愛情や絆を描いた絵本です。犬を飼っている人や、長年連れ添った犬との悲しい別れを経験したことのある人はとくに、涙なしには読めないかもしれません。

冒頭、主人公のぼくがエルフィーのことを「世界で一番すばらしい犬」と紹介するページには、赤ちゃんだった頃のぼくが、エルフィーのドッグフードを食べてしまっている様子がユーモラスに描かれています。それに続いて、エルフィーと過ごした思い出の日々が絵と文で楽しげにつづられますが、中盤ではエルフィーがすっかり年老いて動き回れなくなっていき、後半、静かに最期の時を迎えます。

エルフィーとのかけがえのない日々の中で主人公の男の子が大事にしていたのは、「大好き」という気持ちを伝えること。兄と妹もエルフィーのことが大好きだったけれど、言わなくてもわかると思っていたのか、ことばにして伝えていませんでした。でも主人公は、毎晩エルフィーに「ずーっと、大好きだよ」と言っていました。そしてその気持ちを、きっとエルフィーもわかってくれているはず、と信じていました。

やがて訪れるであろう別れの日に、少しでも後悔を減らすためにも、愛する者に対して「大好き」と伝えよう。そしてそのことが、深い悲しみをも癒やし、なぐさめをもたらせてくれるだろう…絵本からは、そんなメッセージが伝わってきます。犬に限らず、人や動物に愛情を注ぐことの大切さを教えてくれる一冊です。

<ミーテ会員さんのお声>
祖母が買ってきた本。まだ早いよねと絵本棚に置いておいたら、最近自分で持ってくるようになった。読み終わると2回目を催促される。最後まで真剣に聞いている。エルフィーが死んでしまったところは、エルフィーバイバイ、もうおっきしないんだよって付け足して読んであげた。なんとなく理解しているのかな? まだわからないだろうと思っていたけれど、なんとなくわかっているのかな…(1歳3か月の男の子のママ)

ハンス・ウィルヘルムさんの作品は他に『ぼくたち また なかよしさ!』があります。こちらはきょうだいげんかと仲直りをテーマにした絵本ですよ。


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