毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。
今回ご紹介するのは、アメリカの絵本作家デミさんの絵本『1つぶのおこめ さんすうのむかしばなし』です。原書の初版は1997年。日本では、さくまゆみこさんの翻訳で2009年に刊行されました。
昔、インドのある地方に、けちな王様がいました。王様は飢饉の時も、民から召し上げたお米をひとり占めして、分け与えようとはしませんでした。ある日、王様のために運んでいたお米のかごから、米粒がこぼれていることに村娘のラーニが気づき、それを王様に届けると、王様から褒美をもらえることに。賢いラーニは今日はお米を1粒、その後30日間、前の日の倍の数だけ米粒がほしいと願い、王様はその申し出を受け入れますが…。
伝統的な「インド細密画」の手法で描かれた、繊細で美しい絵が魅力の絵本です。赤や金色を中心とした華やかな色彩が、物語を盛り立てています。
ラーニが王様にご褒美としてお願いしたのは、たった1粒のお米。でも、今日は1粒、明日は2粒、明後日は4粒、その次の日は8粒…と、30日目まで倍、さらに倍、そのまた倍…と数は増えていきます。16日目にラーニが32768粒のお米を受け取ると、王様は「案外と多くなるものだな」と驚きます。さて、30日目には何粒になったのでしょうか?
クジャクやトラ、ライオン、ラクダ、ゾウなど、日を追うごとに、お米を届ける動物が変わっていくだけでも楽しいのですが、お米が増えるたびに動物の数もどんどん増えていくのが目に見えて面白く、子ども達の心を惹きつけます。ラストには圧巻の観音ページも! 1粒のお米が30日間でどのように増えていったかも、最終ページに表でまとめられています。
最後は王様が改心して、めでたしめでたし。テーマは「かけ算」なので、かけ算の概念が理解できる年齢の子どもの方が物語をより深く楽しめますが、もっと小さい子でも楽しめる要素が散りばめられています。この絵本をきっかけに、算数の面白さに気づいてもらえたらうれしいですね。
<ミーテ会員さんのお声>
数学的センスのない私は娘とともに「え、まじで? ひょえー((((゜Д゜;))))」。娘は電卓を持ち出してパチパチやっていた。疑り深く検証しているのか。視覚に訴える丁寧な挿し絵もよい。同じ作者の『皇帝にもらった花のたね』も今度読んでみよう。(9歳3か月の女の子と5歳3か月の男の子のママ)
他にも物語の中に算数の概念を盛り込んだ絵本はいくつもあります。「絵本で親しむ、楽しい算数」で紹介しているので、チェックしてみてくださいね(ミーテにログインした状態でご覧ください)。
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