毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。
今回ご紹介する絵本は、西平あかねさんによる『おばけかぞくのいちにち さくぴーとたろぽうのおはなし』。2003年に「こどものとも年中向き」に発表され、2006年にハードカバー化したシリーズ第1作です。
お母さんが夜寝るときに話してくれた、かわいいおばけ家族のお話。おばけは夜起きて、子ども達は保育園に、お父さんは人をおどかす仕事に行きます。昼夜逆転のおばけの暮らしをゆかいに描いた絵本。
「もうおばけの時間よ」。夜なかなか寝ない、さきちゃんとたろうの姉弟にお母さんが言います。たくさんの家庭で見かける光景でしょう。ちょっと違うのは、「おばけの時間」には何が起こっているのか教えてくれるところ。
おばけ達は夜起きて、子ども達は保育園に、お父さんは仕事に、お母さんは買い物に出かけます。昼夜逆転をしているだけで、人間と同じように生活しているのです。左のページに人間家族、右のページにおばけ家族の営みが描かれることで、お互いの日常の似ているところ、違うところがよくわかります。
この絵本の一番の魅力は、細かな描きこみでしょう。ストーリーが何気ない一日を描いたシンプルなものだけに、想像の余地が広いのです。とくに子ども達に人気なのは、おばけのスーパーの品揃え。「うそつきばなな」や「おしゃべりいわし」に「かえるのへそ」! 一体どんな味なのか、どうやって食べるのかなどを親子で自由に想像したら、読み聞かせがさらに盛り上がるはず。
主人公の姉弟さくぴーとたろぽうは、作者の西平あかねさんのお子さん達の名前からつけられたそう。加えて、それ以外の個性的なおばけ達や町の様子も、西平さんが暮らす長崎の人々や町並みがモチーフになっているとか。人間もおばけも動物も、平和にほのぼの暮らす町。その魅力をもっと味わいたい方は、他に『おばけのおつかい』などシリーズ4冊のほか、「こどものとも年中向き」に発表されたお話がふたつあるので、読んでみてくださいね。
<ミーテ会員さんのお声>
「さくぴーとたろぽうのおはなし」シリーズ3冊を図書館で借りてきました。人間の子ども達の生活とおばけの子ども達の生活が、同時進行で進んでいくのが面白いなぁ。長男も次男も「寝ないと足がはえてきて、人間になっちゃうわよ」というセリフとおねしょにバカ受け。とくに次男はシリーズ全部のとりこになってた。幼稚園児にはおばけのきょうだいが等身大に感じられるのかも。(4歳11か月と8歳6か月の男の子のママ)
2度目以降に読む際には、さきちゃん家族の飼い猫の動きにも注目してみて。人間世界とおばけ世界を自由に行き来してますよ。
無料会員登録後は、過去の「絵本子育て相談室」など、
様々な絵本情報が読み放題!
ぜひミーテにご登録ください♪