毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。
今回ご紹介する絵本は、エリック・ヒルさんによる『コロちゃんはどこ?―コロちゃんのびっくり箱』。1980年にイギリスで出版されたロングセラー。世界60か国語以上に翻訳され、累計6000万部以上のシリーズの1作目です。
ごはんの時間なのにコロちゃんがいません。ママはコロちゃんを探します。ドアの後ろかな? 時計の中かな?
物語はシンプルそのもの。ママがコロちゃんを探して、家中の家具を開けて回ります。「〇〇かな?」ということばに呼応してしかけをめくると、中に隠れていた別の動物が「ちがうよ」と答えるくり返しで、お話が進んでいきます。
この絵本で、小さな子ども達が一番大喜びするのが、しかけの部分でしょう。通常の絵本より厚手の紙が使われていて、その上に扉などを糊付けすることでしかけがつくられています。めくりが右に開いたり、上に開いたり、両開きになっていたりと変化があって、めくること自体が楽しい子どもの心をつかんで離しません。まためくり方が上手になったという子も少なくないことでしょう。
しかけを開けた先には、コロちゃんではなく、様々な動物が隠れています。それも、クマ、ヘビ、カバ、ライオン…と家の中には到底いなさそうな動物ばかりなのも、楽しいポイント。一見怖そうな動物達も、ビビッドな色とユーモラスな表情で笑いを誘います。それぞれの返事も「ちがうよ」「おりません」「いいや」とバリエーションがあります。英語版は「no」の一言だけなので、ここは日本語版だけのお楽しみです。
最後にコロちゃんの居場所がわかって、ママは大喜びで迎えに行きます。子ども達は、隠れるのも好きだけれど、見つけられるのも大好き。ママが見つけてくれる安心感があるから、子ども達は「もう1回!」と読んでもらいたがるのでしょう。
蛇足ですが、表紙に描かれている3つのぶちがある犬はママ。背中にひとつ大きなぶちがあるのがコロちゃんです。コロちゃんのわんぱくぶりが楽しみたい方は、『コロちゃんのおさんぽ』などシリーズの続編をどうぞ。
<ミーテ会員さんのお声>
娘は指を使って「めくる」ことができるようになってきたばかり。今はドアや階段下をめくって動物がでてくると「(いないいない)ばぁ」と自分で声をあてて喜んでいます。今日は最後コロちゃんが出てくるバスケットのしかけが折れていて、ページをめくったらすぐにコロちゃんに会えてしまった! 娘の「あれ?」という顔がかわいかったです。(1歳2か月の女の子のママ)
しかけ部分はしっかりした糊付けですが、それでも破れが気になるもの。その場合は、ボードブック版の『コロちゃんはどこ?』をどうぞ。また、シンプルなくり返しなので『コロちゃんはどこ?(英語日本語CD付英語絵本)』は、英語に親しむのにぴったり。あわせて読んでみてくださいね。
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