毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。
今回ご紹介するのは、1978年初版のロングセラー『イエペはぼうしがだいすき』。第2回絵本にっぽん賞受賞作で、世界中の子ども達の写真を撮り続けた写真家・石亀泰郎さんの代表作とも言える一冊です。
デンマークのコペンハーゲンに住む3歳の男の子、イエペの日常をとらえた写真絵本です。イエペは帽子が大好きで、3歳にしてなんと100個もの帽子を持っています。一番のお気に入りは、茶色の帽子。散歩する時も、おじいちゃんと会う時も、保育園に行く時も、イエペはいつも帽子をかぶっています。
家族との散歩や朝食の様子、保育園で遊んだり、絵本を読んでもらったりする時間。帽子をかぶらずに保育園に行った日の、今ひとつ調子が出ない感じ。イエペの何気ない毎日のひとコマひとコマが写真で切り取られています。
あとがきによると、作者の石亀泰郎さんは、デンマークの公園でイエペに出会ったのだそう。帽子を目深にかぶった姿が印象的で、2、3日後に保育園を訪れて再会、さらに日本に帰ってから1か月後、再度デンマークを訪れ、イエペに会いに行ったとのこと。イエペは石亀さんにとって、どうしてもまた会いたい、写真を撮りたい、そう強く思わせるほど魅力的な子どもだったのでしょう。
あとがきの上には、イエペと戯れる石亀さんの写真が掲載されています。絵本の中のイエペの生き生きとした表情は、こんな風にしてしっかり距離を縮めて、信頼関係を築いたからこそ引き出せたのかもしれません。
帽子に対して強いこだわりを見せるイエペに対して、家族や保育園の先生方もそのこだわりを認め、尊重しているところが魅力的。3歳だったイエペも今は40代後半くらいかと思われすが、どんな大人になったのだろうと思わず想像してしまいます。
<ミーテ会員さんのお声>
写真の絵本はこれまであまり読んだことがなかったのですが、自分と近い年齢の子だからか、じっくりよく見ていました。そして、帽子を見つけるたびに「ぼうし!」といちいち指さしていました。私は北欧の暮らしやレトロな雰囲気に興味をひかれました。(2歳6か月の女の子のママ)
紫外線が気になる季節。帽子を嫌がる子どもも多いですが、そんな子には「イエペはこんなに帽子が大好きなんだよ!」と教えてあげたいですね。
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