毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。
今回ご紹介する絵本は、冨成忠夫さんと茂木透さんの写真に、長新太さんが文をつけた『ふゆめがっしょうだん』です。1986年に月刊科学絵本「かがくのとも」の一冊として発行され、その後1990年にハードカバー化されたロングセラー。第13回絵本にっぽん大賞を受賞しています。
冬の公園や雑木林で、木の芽をよく見てみましょう。ウサギやコアラ、サルなど、動物の顔に似ていますよ。春になれば葉が出て、「パッパッパッパッ」と花を咲かせる木の芽。うららかな春の日差しを待ちわびながら、拡大写真とリズミカルな詩でつづる楽しい冬芽の合唱をお聴きください。
木の芽の拡大写真が1ページに1枚ずつ、まるで人物写真のように並びます。どれもこれも顔のように見えるのが不思議です。巻末には「顔にみえるところは、実は、落葉した葉の柄がついていた跡です。その中に、目や口のようなものがありますが、これは葉に養分を送っていた管の断面です」という大人向けの解説が掲載されています。顔の上の帽子のように見える部分が冬芽で、中には葉や花になるつぼみが小さく折りたたまれて入っているのだそうです。
写真を一つひとつ見ていくと、冬芽はどれも個性豊かで、ユーモラスな表情をしています。これらの写真を見て「ふゆめがっしょうだん」と名付けたのは、絵本作家の長新太さん。表紙のずらりと並んだ冬芽の写真を見ると、確かに子ども達が元気に合唱している姿に見えてきます。
「みんなは みんなは きのめだよ はるに なれば はが でて はなが さく パッパッパッパッ」
春を待ちわびながら、歌うように読んで楽しみたい絵本です。
<ミーテ会員さんのお声>
冬の木の芽がこんな風に顔みたいに見えるなんて知らなかったので驚きました。文章は詩のような感じで短いですが、写真が一つひとつ味わい深くて、親子で見入ってしまいました。うちの近所にも“ふゆめがっしょうだん”はいるのかな。今度探してみようと思います。(3歳6か月の女の子のママ)
巻末にはそれぞれの木の名前も掲載されています。どの木も特殊なものではなく、身近で見ることができるのだとか。春を待つ間、冬の公園や雑木林で探してみてください。
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