毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。
今回ご紹介する絵本は、かこさとしさんによる『だるまちゃんとうさぎちゃん』。1972年に月刊「こどものとも」に掲載され、77年にハードカバー化しました。以前ロングセラー&名作ピックアップで紹介した『だるまちゃんとてんぐちゃん』から始まる「だるまちゃん」シリーズの第3作です。
ある雪の日、雪だるまをつくっていただるまちゃんとだるまこちゃん。目をつけようとしたらリンゴが転がってしまったのですが、うさぎちゃんとうさぎこちゃんが止めてくれました。さあ、みんなで楽しい雪遊びの始まりです。
子ども達の遊びがテーマになった「だるまちゃん」シリーズの中でも、次から次へと遊びが登場する、遊びの博覧会のような一冊です。前半は雪遊び。スキーをして、何種類もの雪だるまや手袋人形をつくります。後半は家の中の遊びで、ナプキン・新聞紙を折って工作をし、2種類の切り方でリンゴを食べ、食器で見立て遊びもしています。冒頭から最後まで、だるまちゃん達は遊びっぱなしです。
その場で出会った子と、気づいたら一緒になって遊んでいる。目の前にあるものすべてが遊びの対象。ひとつの遊びが次の遊びに発展し、大人のちょっとした刺激で、また別の遊びを思いつく。だるまちゃん達が次々と遊びをつくり出していく様子は、まさに子ども達の遊び方そのもの。だからこそ子ども達は時代を超えて、だるまちゃんの絵本が大好きなのです。
50年近く前の絵本ですから、紹介されている遊びを知らない子どもも多いことでしょう。でも、それぞれ遊び方やつくり方の解説が丁寧に紹介されているので、すぐにやってみることができます。ママ・パパの中には、この絵本を読んでリンゴのウサギやダルマをつくってもらった経験がある方もいるのでは。
そんなママ・パパでも詳しくは知らないであろう、架空の剣豪「丹下左膳」と「座頭市」が、お話の最初と最後に雪だるまとして登場します。こういった普段、家族単位で暮らしているだけでは接することが少ない、昔ながらの遊びや時代背景に触れることができるのも、「だるまちゃん」シリーズの魅力のひとつ。シリーズに登場するもので、親も「知らないな」と思うようなものは、祖父母世代の方々に聞いてみるのも手です。きっと思いがけない楽しい会話がうまれるはずですよ。
<ミーテ会員さんのお声>
娘は「だるまちゃん」シリーズが大好きです。最近のブームは『だるまちゃんとうさぎちゃん』。先日、ベランダで洗濯物を干していると、部屋の中から娘の声が聞こえてきました。返事をしようと振り返ると、娘が『だるまちゃんとうさぎちゃん』を自分で開いて読んでいたんです。まだ字は読めないので、読み聞かせで覚えた内容や絵を見て自分で思ったことをお話していました。その様子があまりに可愛くて、気づかれないようにそっと観察しちゃいました♪(2歳8か月の女の子のママ)
雪国育ちの加古さんには、今作以外にも雪の絵本がたくさんあります。ロングセラー&名作ピックアップでも紹介した、雪の楽しさと厳しさの両面を描いた『ゆきのひ』のほか、雪遊びがたっぷり紹介された『ゆきのひのおはなし』など。併せて読んで、かこさとしさんが紡ぎ出す、豊かな世界を満喫してくださいね。
▼かこさとしさんのインタビューはこちら
「子ども達が賢く健やかに育つように」
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