毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。
今回ご紹介する絵本は、林明子さんの『まほうのえのぐ』。1993年に月刊絵本「こどものとも」の一冊として刊行され、1997年に市販本化されたロングセラーです。
お兄ちゃんのように絵の具で絵を描きたい、といつも思っていたよしみは、ある日とうとうお兄ちゃんから絵の具を借りることができました。さっそく描き始めたところ、どこからかヘビがやってきて、赤い絵の具をくわえて森の中へ。慌てて追いかけると、ネズミやリス、カラスなどの動物達も絵を描きにやってきて…。
慣れた筆さばきで絵を描くお兄ちゃんの得意げな顔や、絵の具箱をつかんで「私も描きたい」と食い下がるよしみの姿、念願かなって絵の具で絵を描くものの、お兄ちゃんから「どろんこの絵」と言われたよしみのがっかりした様子。その表情やしぐさから、子ども達の心の動きが手に取るようにわかります。林明子さんはこの絵本をつくるにあたって、よしみちゃんという親戚の女の子にモデルになってもらったそうです。
物語は中盤、ヘビを追いかけて森の中に入ったあたりからファンタジー色を強めていきます。絵をよく見てみると、森の木の幹には顔が…。よしみと動物達をやさしく見守ってくれているようです。
動物達は最初、よしみに「だめ!」と言われて一度は逃げ去ってしまいますが、よしみがシャクトリムシのために絵の具を出しているのを見て、また戻ってきます。そしてみんなで楽しくお絵描きタイム。うまく描こうなんて考えずに、思いのまま自由に描くことの楽しさが伝わってきます。
森の中までお兄ちゃんが迎えに来ると、動物達はしげみに隠れ、夢のようなひとときが終わります。お兄ちゃんが「すごい! 本物の魔法の絵の具だ」と驚いたよしみの絵は、裏表紙でご確認くださいね。
<ミーテ会員さんのお声>
娘は『まほうのえのぐ』が大好き。絵の具を使って絵を描くことも大好きだし、たくさんの動物が出てくるところもお気に入り。それぞれの動物が何の絵を描いているかとか、まだ逃げてないとか、絵の細かいところまでしっかり見ながら聞いている。読んでいる私も楽しいし、本当にこんなことがあったら面白いなぁと感じる絵本です。娘がもう少し大きくなったら、家でも絵の具を使わせてあげたいなぁ…(3歳2か月の女の子のママ)
この絵本にも森が登場しますが、林明子さんの絵で森と言えば、『もりのかくれんぼう』も秋にぴったりの絵本。ロングセラー&名作ピックアップでも紹介していますよ。
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