毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。
今回ご紹介する絵本は、ドイツの絵本作家ヴェルナー・ホルツヴァルトさんが作、ヴォルフ・エールブルッフさんが絵を手がけた『うんちしたのはだれよ!』。1989年にドイツで出版、日本では関口裕昭さんの訳で1993年に紹介された人気作です。
「誰だ、僕の頭にうんちなんかしたやつは!」
地面から顔を出したところに、とんだ災難に見舞われたもぐらくん。犯人を捜すべく、いろいろな動物に聞いて回りますが…。
頭にうんちをされて、怒り心頭のもぐらくん。さっそく犯人捜しを始めます。「ねぇ、きみ、僕の頭にうんち落とさなかった?」と、様々な動物に聞いて回ります。すると、動物達はもぐらくんの目の前でうんちをして見せて、もぐらくんの頭の上のうんちとは違うことを証明してみせるのです。
うんちの色、形、固さ、臭いに加え、排泄の仕方まで、動物によって千差万別。それを作者は、すべて子どもにとって身近な食べ物に比較して表現をします。ハトのものはヨーグルト、ウマはおだんご、うさぎは豆粒…。排泄の際の音もユニーク。ピシャッ、ボトン、ラッタッタッタ! いずれも個性的で忘れがたいたとえです。
ユーモアをあちこちに散りばめて子ども達の興味をそらさず、同時に動物とうんちの描写は正確で写実的。科学的な目で描かれています。また勢いのある線とダイナミックな構図の、洗練された絵で描かれていたことも、世界的な人気作となった大きな要因でしょう。
さて、エキスパートの助けを借りて犯人を突き止めたもぐらくん。勇んで復讐に向かいます。威圧感のある犯人の姿に、子ども達に緊張が走った瞬間、もぐらくんは機転の利いた、相応の仕返しをして、満足して物語を去っていきます。
世界的な人気作なだけあって、しかけ絵本『とびだす!うごく!えほん うんちしたのはだれよ!』も出版されています。もちろんしかけは、うんちの部分。排泄の際のユニークな音を読みながらしかけを動かせば、盛り上がること必至ですよ。
<ミーテ会員さんのお声>
お父さんが就寝間際に帰宅し、読んでくれました。声色を変えてゆっくり読んでいました。読み方がおかしいのか、みんなで大笑い。最近けんかして怒られることが多い中、楽しく読めてよかった。(2歳10か月、5歳3か月の男の子のママ)
同じく「うんち」を扱った日本のロングセラー絵本と言えば、『みんなうんち』。未読という方は、ぜひのぞいてみてくださいね。
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