毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。
今回ご紹介する絵本は、マイク・サーラーさんと、ジェリー・ジョイナーさんによる『わゴムはどのくらいのびるかしら?』。1974年に米国で出版され、日本では1976年にきしだえりこさんの訳で紹介されたロングセラーです。
ある日、ぼうやは輪ゴムがどれくらい伸びるのか、試してみることにしました。ベッドのはしに輪ゴムを引っかけ、部屋から外に出て、バスに乗り、汽車に乗り、飛行機に乗って…。いったい、輪ゴムはどこまで伸びるのでしょう?
「わゴムはどのくらいのびるかしら?」。思ったことはあっても、痛いことになりそうで実際に試したことがある人は少ないのでは。でもこの主人公のぼうやは、思い立ったが吉日。ベッドの柱にゴムをひっかけて、自分の部屋を飛び出していきます。
切れちゃったらどうなるのかしらというドキドキ感と、どこまで行けるのか知りたいワクワク感。子ども達の緊張をよそに、ぼうやは何のためらいもなくゴムを引っ張り続けます。部屋を出て、自転車に乗って、バスに乗って、電車に…!? この辺りから、漫画のようなあり得ない展開に、ページをめくるたびに子ども達は大盛り上がりすることでしょう。
この物語を引っ張るのは、好奇心だけでどこまでも進み続けるぼうやの行動力と、わゴム一本で宇宙まで行くことができる想像力でしょう。説明は最小限で、ことばが追い付く前にぼうやはどんどん進んでいきます。
ことばが少ない分、絵は雄弁です。ゴムのひっぱり始めは、ぼうやの頭が見きれるほどのアップから始まります。それが飛行機に乗る頃には全身が描かれ、遠くへ行くにつれて視点もぐんぐんと引いて、周りの景色が目に入ってきます。そして絵は子ども達を、遠くの海、見たこともない砂漠、そして宇宙にまで連れて行ってくれるのです。
子ども達の想像力には際限がないことを、とっぴな形で教えてくれる絵本です。
<ミーテ会員さんのお声>
わゴムがどこまで伸びるか伸ばしてみる話。わゴムを自分の部屋のベッドに引っ掛け、引っ張り続けて月まで行ったという、ありえない話なのだけれど、子どもは大笑い。私は読んでいる途中であほらしくなっていたんだけれど、あまりに子どもが笑うのでつられて一緒に大笑い。(4歳6か月の男の子のママ)
読み聞かせをする際には、絵の中のわゴムをしっかり認識させることが、子ども達がお話にのめり込む上で大事なポイントでしょう。また実際のわゴムを見せてあげると、ゴムが伸びる緊張感やお話のありえない感じが伝わって、より盛り上がるはず。ぜひ試してみてくださいね。
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