イチ押し絵本情報

大雪の夜の、のんきなおいしゃさまのお話(ロングセラー&名作ピックアップ Vol.269)

2020年1月23日

毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。

 大雪の夜の、のんきなおいしゃさまのお話

今回ご紹介する絵本は、中川正文さんの『ねずみのおいしゃさま』です。この絵本は最初、1957年に月刊「こどものとも」から永井保さんの絵で刊行されましたが、その後、1974年に月刊「こどものとも普及版」の一冊として山脇百合子さんの絵で再び世に出て、1977年にハードカバー化されました。

大雪の晩、ねずみのおいしゃさまが寝ていると、りすさんから電話がかかってきました。ぼうやが風邪をひいて、熱を出してしまったのです。ねずみのおいしゃさまはさっそくスクーターに乗って、りすさんの家へと向かいます。ところが雪でスクーターが動かなくなってしまって…。

見開き

ねずみのおいしゃさんとその奥さんを見て、「ぐりとぐらみたい!」と思った方も多いことでしょう。それもそのはず、絵は『ぐりとぐら』と同じく山脇(旧姓・大村)百合子さんが担当されています。『ぐりとぐら』が大好きな子どもは、なじみのあるねずみが出てくるというだけで、このお話にすっと入っていけるのではないでしょうか。

りすのぼうやの往診に出かけたおいしゃさまが、大雪でスクーターごと雪だるまのようになってしまうシーンは、気の毒ですがなんだか愉快でちょっと笑ってしまいます。そして、冬眠中のかえるさんの家にお邪魔すると、気持ちよさそうにぐうぐう眠ってしまう始末。家を出る前は、心配する奥さんに対して「雪ぐらいなんでもないさ。夜中に出かけるのも、医者の仕事だよ」なんて立派な発言をしていたのに、随分とのんきなおいしゃさまです。

りすのぼうやは、おいしゃさまの診察なしでも翌朝にはすっかり元気になりますが、冷たい雪でずぶ濡れになったおいしゃさまは風邪をひいて、熱を出してしまうという、なんともユーモラスなオチがついて、物語は終わります。現実の世界では、おいしゃさまがこんなにのんきではクレームが来てしまいそうですが、絵本の世界はのんびりムード。ほのぼのと楽しめる一冊です。

<ミーテ会員さんのお声>
ねずみのおいしゃさま、早く風邪が治るといいね。かえるさんは冬眠するのー? お母さん、冬眠てなあにー? 寝てるのー? 知らないことばが出てきて興味津々でした。(1歳11か月の男の子のママ)

おいしゃさまの乗るスクーターや往診用のバッグ、毛糸の帽子、表紙の体重計など、昭和っぽさの漂う絵が魅力的。隅々まで見て味わってくださいね。


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