イチ押し絵本情報

めくるとおうちの断面図 「好き」がいっぱいポコポコシリーズ(ロングセラー&名作ピックアップ Vol.266)

2019年12月26日

毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。

 めくるとおうちの断面図 「好き」がいっぱいポコポコシリーズ

今回ご紹介する絵本は、さかいさちえさんによる『ちいさなちいさな すてきなおうち』。2008年に出版され、累計100万部を突破した「ちいさなポコポコ」シリーズの第1作です。

これは世界のどこかに住んでいる、小さな小さな動物達のお話です。小さなポコポコは帽子を頭にのせて、毎日お出かけ。ポコポコは、お友だちのおうちを訪ねます。かわいらしいおうちの外観をながめたら、ページをめくって家の中へどうぞ。すてきな部屋が待っていますよ。

見開き

この絵本を手に取ってまず驚くのが、表紙の3分の2を超える大きなオビでしょう。表紙のミツバチさんの家のほとんどが覆われています。

中はどうなっているの? 子ども達の疑問を、主人公のポコポコが「お部屋を見せてよ」と代弁してくれます。「オビをはずしてね」とミツバチさん。めくると、おうちの断面図。子ども達は驚きの声をあげて、赤ちゃん達の部屋やハチミツを貯めるタンクでぎっしりの愛らしいお宅をながめることでしょう。

見開き

お話の流れにのって、小さくて丸くてふわふわした不思議な生き物、ポコポコのお出かけについていきましょう。月曜日はぞうさんのティーカップのおうち、火曜日はねずみさんのカボチャのおうち、水曜日はちょうちょさんのお花のおうち…。

それぞれの家は個性的で、すてきに飾り付けられています。ティーカップのコレクション、お気に入りの野菜の形で統一された家具、お花に埋め尽くされた部屋に、食べられるお菓子の家、ロマンチックな明かりで照らされた室内…。かわいいもの好きなら、「自分の部屋もこんな風に飾りたい」とうっとりしてしまうはず。

絵に使われている色はすべて、透明感があって発色がいいのが特徴。パステル調の柔らかな色選びもあって、絵本全体からやさしくあたたかな印象を受けます。登場する生き物達も、「好き」に囲まれた暮らしに、誰もがウキウキ楽しそう。絵本全体から、充足した幸せが伝わってくるのです。

最初に登場した大きなオビにはもうひとつ大事な役割が。はがきが印刷されていて、「住んでみたい夢のおうち」を描いて送れるようになっているのです。はがきの一部は、さかいさんのホームページで見ることができます。動物達の好きがいっぱい詰まったおうちに刺激されて、子ども達の想像力が大きく羽ばたいていることが伝わってきますよ。

<ミーテ会員さんのお声>
とってもやさしい絵でかわいい本。主人公がいろいろなおうちにおじゃまするのですが、どの家も魅力的。私も娘も、土の中にあるへびさんのおうちが、とくに気になりました。たくさんのランプでぼんやりと照らされて、あたたかそう。本当に光っているかのように見えるから不思議!(10か月と4歳0か月の女の子のママ)

11月に新刊『ちいさなちいさな ほしのあかり』が出版されたばかりですが、累計100万部突破を記念して、2020年夏にはシリーズ10作目を出版予定だそう。夏らしい海のお話が準備されているとか…。ポコポコシリーズファンには楽しみが続きますね。


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