イチ押し絵本情報

「こんな時なんて言う?」 ゆっくとすっくに聞いてみよう(ロングセラー&名作ピックアップ Vol.260)

2019年11月14日

毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。

 「こんな時なんて言う?」ゆっくとすっくに聞いてみよう

今回ご紹介する絵本は、たかてらかよさんと、さこももみさんによる『ゆっくのこんなときってなんていう? おそとであそぼう』。2005年に『すっくのこんなときってなんていう? おうちのなかで』と共に刊行され、2014年にいずれも改訂されました。「ゆっくとすっくの えほん」シリーズで最初に出た絵本です。

1~2歳頃を想定したお出かけの際のあいさつの絵本です。「いってきます」から「ただいま」までの間の、子どもがよく遭遇するシチュエーション別に、何と言うかを教えてくれます。基本的なフレーズなどが12個掲載。ゆっくと一緒に言ってみよう。

見開き

まず向かって左のページで「今日何して遊ぼかな? おもちゃを選んで、さあ出発。こんな時って、なんて言う?」といった風に、具体的な状況が説明されます。右のページではこんな時に使う「いってきます」というフレーズが書かれ、男の子のゆっくが、笑顔でこちらを向いて手を振っています。絵で、使う際の表情や身振りがわかるようになっています。

 

同じように、「こんにちは」「ごめんなさい」「はい どうぞ」「さようなら」などの、この年頃に教えたい対人のフレーズが紹介され、それぞれの状況説明→フレーズ、というくり返しになります。実際に子どもに「こんにちは」を教える時は、あいさつをする状況の時に、大人があいさつをしてみせて、「〇〇ちゃんも言ってごらんなさい」と促します。子ども達が日常でも使えるように、そういった状況を再現していると言えます。

通常のあいさつを教える認識絵本と違うのは、出かけて帰ってくるというゆるやかなストーリーがあるところ。主人公のゆっくはパパと一緒に、公園ですべり台をすべり、砂遊びをし、お友だちと少し交流し、帰りはお店屋さんに寄ってお土産を買って家に帰る、普段よりほんの少しだけ特別な一日を満喫するのです。さらに、ちゃんとごあいさつできるお兄さんぶりを発揮する様子は、絵本を聞く子ども達に格好よくうつることでしょう。きらっと輝く絵本のお友だちの姿と「ごあいさつ」が結びつくことで、子ども達は喜んでフレーズを言いたがる好循環が生まれるのです。

絵を手がけたさこももみさんは、この作品が絵本デビュー作。子育て中の悩みから生まれた作品を手がけることが多い中、絵本が子どもへのプレッシャーにならないよう気を配っているそう。「なるべくしつけのためだけではなく、純粋に楽しんでもらえる絵本をつくりたい」という思いでつくられているからこそ、シリーズで長く支持され続けているのではないでしょうか。

<ミーテ会員さんのお声>
「すごいね ぱちぱち いっとうしょう」と読むとパチパチと手を叩き、「あえると いいな また あした。さようなら(バイバイ)」と読むとバイバイと手を振ってくれました~! 今まで手をパチパチ叩いたり振ったりすることは出来ても、「パチパチ」「バイバイ」ということばを理解して行動したのは初めてで、成長を感じました。特にバイバイは、1ヶ月以上前から教えまくっていたのにいっこうにしてくれなかったので、すごくうれしい。(11か月の男の子のママ)

ゆっくとすっくという名前は、ゆっくりすくすく大きくなあれという願いからつけられた名前だそう。そんなふたりの赤ちゃんの姿が見られるお話があります。『ゆっくとすっくBaby ころん!』は女の子のすっくが、『 ゆっくとすっくBaby あむあむ』は男の子のゆっくが主人公です。赤ちゃんの何気ない表情や動きがたまらなくかわいらしい絵本ですよ。

▼さこももみさんのインタビューはこちら
「絵本の中に描く おおらかな子育て」


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