イチ押し絵本情報

枯れ葉でできた落ち葉達が踊り出す(ロングセラー&名作ピックアップ Vol.258)

2019年10月31日

毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。

 枯れ葉でできた落ち葉達が踊り出す

今回ご紹介する絵本は、いとうひろしさんによる『おちばがおどる』。2003年に出版された、秋の楽しさを伝えるロングセラーです。

かさこそ、ふわり、にこにこ、こそり…風に吹かれて、落ち葉が踊り始めます。落ち葉達はどれも表情豊かで、とっても楽しそう! 心地よいことばのリズムとともに落ち葉のダンスを堪能したら、落ち葉を拾いに出かけたくなるかも?

見開き

表紙では、様々な茶色をした、おばけのような妖精のような個性的でユーモラスな姿の生き物が、にっこり笑ってこちらを見ています。服や顔には不思議な模様。よく見てみると、顔や体、服はもちろん、指やボタンのひとつひとつまで、落ち葉を切って貼ってつくったコラージュだということがわかります。

使われているのは、ちょっと大きな公園でならすぐに見つかりそうな、ごく普通の葉っぱ。それも、赤や黄色に紅葉したものではなく、枯れた茶色の葉っぱです。クヌギ、コナラ、サクラ、モミジ、イチョウ…中には、虫食いの穴があったり、途中でちぎれたりしているものもあります。

そこに、顔が見えてきたらお話の始まりです。隅から隅まで落ち葉でできた、おかしな落ち葉達が、白をバックに、生き生きと動き出すのです。

画面せましと動き、主張し、踊りまわる落ち葉達に添えられているのは、対照的に短くて簡素なことばです。ことば自体は、園児達も使えるような平易なものなのですが、ことばのリズムや効果的に使われたオノマトペによって、詩情が豊かにあふれ出します。かさこそ、ふわり、にこにこ、こそり。軽やかなオノマトペのリズムこそ、落ち葉達が聞いている音楽なのでしょう。

コラージュの落ち葉も、詩情あふれることばも魅力ですが、もしかしたらこの絵本の本領は、読み終わった後に発揮されるのかもしれません。公園で、道端で、落ち葉を踏んだ音、風に吹きあがる落ち葉、そこここに、落ち葉達が踊っている姿が見えてくるはず。それこそ、いとうひろしさんがインタビューで語っている「絵本の楽しさ」が見つかった瞬間なのではないでしょうか。

<ミーテ会員さんのお声>
次女が読んでくれた。文字が少ないとはいえ、上手に読めていた。「キツネがいるよ」「これ、どんぐりだ」などと長女が合いの手を入れてくれる。末っ子男子は、長女の膝の上で聞いていた。私が読むより、よっぽどおとなしく聞いている。(2歳2か月の男の子、5歳5か月と7歳2か月の女の子のママ)

作のいとうひろしさんと言えば、『だいじょうぶ だいじょうぶ』や、『ルラルさんのにわ』でご存知の方が多いのでは。いずれもロングセラー&名作ピックアップでご紹介しているので、ぜひのぞいてみてくださいね。

▼いとうひろしさんのインタビューはこちら
「自分で見つけよう 絵本の中の楽しみ」


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