イチ押し絵本情報

リンゴの木で知る四季の移り変わり(ロングセラー&名作ピックアップ Vol.252)

2019年9月19日

毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。

 リンゴの木で知る四季の移り変わり

今回ご紹介する絵本は、エドアルド・ペチシカさんと、ヘレナ・ズマトリーコバーさんによる絵本『りんごのき』。1954年にチェコで出版され、1972年にうちだりさこさんの訳で日本に紹介されたロングセラーです。

庭にある1本のリンゴの木。冬、雪に埋まったリンゴの木が、春に花を咲かせ、夏に実がなり、秋に赤く色づくまでを、やさしく気遣いながら見守る、小さな男の子・マルチンの目線で描いた、チェコの絵本。

見開き

男の子のマルチンは、ある日庭が一面真っ白になっているのを見て驚きます。初めて雪を見たのです。小さいマルチンの「初めて」はそれだけではありません。雪の中に立つ葉の落ちた木が、リンゴの木だとその時初めて知るのです。

ページをめくるごとに季節は進み、リンゴの木も変化します。マルチンは、ミツバチがリンゴの花に集まる理由を知り、葉がしおれていたので水をやり、リンゴの実がなったのを見て話しかけ、嵐があれば気をもみながら窓から見守ります。

四季はめぐり秋がやってきます。葉が黄色く変わり、とうとうリンゴが赤く色づきました。リンゴを手にしたマルチンの頬は、うれしさに真っ赤に上気しています。お話を聞く子ども達は、マルチンと共に、植物が育つのを見守り、収穫を待つという喜びを知ることでしょう。

また、忘れてはならないのが動物達。ネコ、イヌ以外にもハリネズミ、ニワトリ、鳥や虫が登場し、暮らしの中に自然が当たり前に息づいているのがわかります。四季の移り変わりと共に暮らす穏やかな家族の様子も、この絵本の見どころのひとつ。絵が四角く囲われていることで、まるでマルチンの家族の一員になって、家の窓から庭を眺めているかのように感じられます。

この絵本は、世界の名作絵本を紹介する「世界傑作絵本シリーズ」の一冊です。作のエドアルド・ペチシカさんは『もぐらとずぼん』の作家として、絵のヘレナ・ズマトリーコバーさんは『かあさんねずみがおかゆをつくった』などの作品で、チェコを代表する絵本作家として知られています。

<ミーテ会員さんのお声>
私が小さい時に大好きだった絵本。リンゴの木って手間と時間と労力と忍耐が必要。たったひとつだけできた赤いリンゴは宝石みたい。長すぎて興味がないのか、娘はいつもずりばいで逃げ回る。気にせず音読。でも今日は寄ってきて見た。興味が出てる?(6か月の女の子のママ)

同じ作家さんコンビの作品で、『マルチンとナイフ』という絵本があります。穏やかな世界観が気に入った方は、ぜひ図書館などで探してみてくださいね。


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