毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。
今回ご紹介する絵本は、たかどのほうこさんの『まあちゃんのながいかみ』。1989年に月刊「こどものとも年中向き」として発行され、1995年にハードカバー化された人気作です。
まあちゃん、はあちゃん、みいちゃんの3人は、仲良くおやつの時間。長い髪が自慢のはあちゃんとみいちゃんが、背中が隠れるくらいまで伸ばすと言うと、おかっぱ頭のまあちゃんは、自分はもっとずっと長く伸ばすんだと言い返します。おさげで魚を釣ったり、洗濯物を干したり、布団がわりになるくらいと、まあちゃんの空想は広がって…。
表紙の女の子を見てみてください。三つ編みにした長い髪が原っぱにぐるぐるぐると渦巻きになって、お散歩コースをつくっています。そこを楽しそうに歩く犬や猫やリス、女の子達。そうか、主人公のまあちゃんは髪の長い女の子なのね、と思いきや…実際のまあちゃんは、登場する3人の中で一番髪の短い女の子。髪がとんでもなく長いのは、空想の中でのまあちゃんなのです。
この絵本の魅力は、まあちゃんのとどまることのない想像力です。言ってみればまあちゃんは“ほら吹き”なのですが、まあちゃんの語る“ほら”はどれもとてもユニークで、なんだかとっても楽しそう。「そんなに長かったら洗うの大変じゃない?」「どうやってとかすのよ」といったお友だちからのツッコミにも、豊かな想像力で見事に返します。いつのまにかお友だちのはあちゃんとみいちゃんも、まあちゃんの空想上の長い髪にうっとり…。読者である私達も、まあちゃんの空想の世界にどっぷりはまって楽しむことができます。
作者のたかどのほうこさんは幼い頃おかっぱ頭で、長い髪への憧れからこの絵本と同じようなほらを吹いたことがあったんだとか。そんな幼少期の思い出がもとになって生まれた絵本だそうです。
左右のおさげに洗濯物を干して、乾くまでの間に読書をするというシーンで、まあちゃんが読んでいる絵本にもご注目。以前ロングセラー&名作ピックアップでもご紹介した『どろんこハリー』が登場していますよ。
<ミーテ会員さんのお声>
まあちゃんと同じくらいのおかっぱに髪を切った後、この本を読みました。毎回、表紙の渦巻きの髪を迷路のように指でなぞっていました。まあちゃんのような長い髪への憧れはあまりないようでしたが、パーマのまあちゃんの絵には見入っていました。(3歳5か月の女の子のママ)
まあちゃんのシリーズは他にも『まあちゃんのまほう』と『まあちゃんの すてきなエプロン』があります。たかどのほうこさんの絵本は他にも『つんつくせんせいどうぶつえんにいく』をはじめとする「つんつくせんせい」シリーズも楽しくておすすめですよ。
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