イチ押し絵本情報

豆を食べたら、足がにょきにょき…!?(ロングセラー&名作ピックアップ Vol.243)

2019年7月18日

毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。

 豆を食べたら、足がにょきにょき…!?

今回ご紹介する絵本は、1980年に出版されたロングセラー『あしにょきにょき』。絵本作家・深見春夫さんのデビュー作です。

美食家のポコおじさんは、あやしいセールスマンから大きなそら豆を買いました。さっそく食べてみると、なぜだかおじさんの左足がにょきにょきとのび始めます。窓を割って家の外へ出ると、林をぬけ、森をぬけ、なんと街までのびていってしまいました。困った街の人達は、足に縄をかけて懸命に止めようとしますが…。さて、にょきにょきとのびてしまったおじさんの左足、一体全体どうなるのでしょう!?

見開き

街中の道路を大きな足が占領している表紙からして、インパクト大の絵本です。冒頭に登場する緑色の顔のセールスマンもあやしさ満点。にょきにょきとのびていく足を描いたシーンのシュールなことといったら! 絵本の中に広がる、現実にはありえない光景に、思わず笑ってしまいます。足ならでは、という結末もおかしくて、読み聞かせ会などでも大いに盛り上がる一冊です。

あやしいセールスマンの目的は? なぜ片足だけなの? 謎は深まるばかりですが、ここは理屈抜きで楽しむのが得策です。作者の深見春夫さんはインタビューの中で、ナンセンス絵本の楽しみ方についてこんな風にアドバイスしてくださっています。

「ナンセンス絵本は文字通り、何の意味もないし、教育的な要素も、込められたメッセージもありません。突拍子もないバカ話ですから、常識なんて通用しない、非常に根源的な発想で描かれているんです。絵本を読み聞かせするお母さんやお父さん方にも、できるだけ頭をやわらかくして、子どもと一緒にナンセンス絵本を楽しんでほしいですね」

常識の枠を取っ払って、理屈抜きで愉快な世界を楽しんでみてください。

<ミーテ会員さんのお声>
「このまま伸びたらいろんなものにぶつかっちゃうんじゃない?」
「あっ!ほら~、ぶつかった~!!」
読んでいる途中でいろんな反応があって面白かった。ラストにもびっくり!(5歳11か月の男の子のママ)

続編として『あしにょきにょきにょき』『あしにょきにょきときょうりゅう』も出版されているので、あわせてお楽しみください。今年3月には、CD付の英語版『The Ever-Growing Leg あしにょきにょき』も出版されています。深見さんの絵が英文とマッチして、海外の絵本のような雰囲気を醸し出していますよ。

▼深見春夫さんのインタビューはこちら
「ナンセンス絵本は常識の枠を外してくれる」


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